職人技! 管制官の「肉声ガイド」のみで滑走路へ… ANA操縦士に聞くいまやレアな着陸進入
「PAR」はどんなもの? 国内実施空港には共通点が
この「PARアプローチ」を行う際、パイロットが目的地空港の滑走路にたどり着く“カギ”となるのは、管制官の声です。ANAのパイロットは、この進入方式について次のように説明します。
「PARアプローチは、管制官が精密なレーダースコープを見ながら飛行機の縦方向・横方向のズレを無線で逐一パイロットに伝えていく方法です。考え方としてはILSアプローチと同じで、ILSは電波を用いてガイドしますが、それを管制官が画面を見ながら、声を使ってガイドを実施する、というイメージかと思います」(ANAのパイロット)
なお、平時であればフライトにおける管制官とパイロットは、無線交信の内容を細かに復唱確認するなど、双方向のコミュニケーションをとりながら機体を離着陸させますが、このPARアプローチではその意味でも特殊です。というのも進入中、管制官からの指示がいわば一方的に飛び、それをもとにパイロットが操縦するのです。またこの進入方式では、方位1度単位でコースを細かく修正されることで、精密さに定評がある、ILSに匹敵するような正確性を保っています。
ちなみに、このPARアプローチ、比較的歴史が長い着陸進入方法で、前出のANAパイロットはその成り立ちを次のように説明します。
「PARは、もともとは軍事用の技術で、可搬型のレーダースコープと無線のみで運用できるため、飛行場でない広い土地や空母などに着陸する場合にも精度の高い着陸誘導ができることから使用されてきた、ともいわれています」(ANAパイロット)
このこともあってか、2021年現在、国内空港で民間機にPARアプローチを提供する空港は、すべて自衛隊が常駐する場所です。小松、那覇、千歳などがこれにあたります。なお、千歳でこの着陸進入が使用されるのはごくまれ。夜間の滑走路閉鎖時やILS停波時など、平時の新千歳空港側の滑走路を使わず、隣接する航空自衛隊千歳基地側のものを使用するケースのみとのことです。
【了】
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通称GCAアプローチですね、ILSカテゴリーⅡに相当とガイダンスリミットが空港毎に違いリミットの時点で滑走路が直接目視が出来ない時はゴーアラウンドを要求されます。
丘珠では民間にも陸自による運用がされてます。