「鉄道テロ」起こったらどうなるか 駅に異臭、爆発物… 戦慄走った京急川崎駅の訓練
東京オリ・パラを控え、京急が、鉄道妨害対策訓練を行いました。訓練に参加した消防や警察は、特殊な防護服を装着し、乗客の避難や不審物の撤去を実施。もしこれが実際に発生したら……と思わずにはいられない緊迫した現場でした。
万全の体制で緊急事態に対応
京急電鉄は2021年5月28日(金)、京急川崎駅構内で「鉄道妨害対策訓練」を実施しました。この訓練は、鉄道を狙った妨害行為を想定し、職員の意識の高揚や、消防や警察などの関係機関との連携強化を目的に行っているもので、2019年以来2年ぶりの実施となります。
今回は東京オリンピック・パラリンピックを目前に控えている中、コロナウイルス感染対策も考慮したうえでの有事対応として訓練が行われていました。
訓練での想定は、不審な人物がホーム上で液体をスプレー噴霧し、不審物を置いて逃走したという事案です。京急の職員に加え、神奈川県警川崎警察署ならびに川崎市消防局川崎消防署の署員も訓練に参加しました。
「京急川崎駅1番ホームにて、何者かが異臭のする液体を撒き、10名ほどの方が倒れている模様です。現場は、漂白剤のような塩素系の異臭がします」
事件発生後、駅の助役がただちに119番、続いて110番通報を行います。ホーム上の利用客は、駅員や売店スタッフらに誘導され、速やかに現場から避難します。
駆けつけた消防署員は、体調不良で救護が必要となった利用客の対処にあたります。現場にどのような物質が散布されたかが不明なため、現場での負傷者の収容および応急手当は、化学防護服を着用しての作業になりました。
いっぽう警察署の隊員は、現場に放置された不審物の処理にあたります。まずは不審物の実態を調査するため、遠隔で物体をモニタリングするほか、X線撮影を行います。
「不審物を爆発物と判定したため、所定の処理方針に従い、処理を開始する!」
調査の結果、爆発物の可能性があることから、爆発物処理班が回収にあたります。先端にハサミを装着した特殊な器具を用い、専用の回収ドラムに収容。緊張の瞬間です。
訓練終了後、京急電鉄取締役で鉄道本部長の道平 隆さんは講評で、半世紀前の1972(昭和47)年のミュンヘンオリンピックで13名の選手が犠牲になった事件に触れ、オリンピックはテロの標的になり得ることを示唆。「鉄道も同様で、このようなテロを未然に防ぐとともに、万が一実際に発生した際も、警察や消防の皆さんとも連携して対応にあたっていきたい」と語りました。
【了】
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