「コンコルドよりお先に~」なソ連 人類の夢「超音速旅客機」開発合戦 始まりは半世紀前

ユナイテッド航空が発注したことで再度乗れる可能性が出てきた「超音速旅客機」。実はこの計画が打ち出されたのは50年以上も前からでした。かつての「コンコルド」実現に至るまでも、紆余曲折を経ています。

実は「コンコルド」よりツポレフのが早かった?

 一方、当時のソビエト連邦では1960年代前半から、超音速機、旅客機や大型軍用機などで豊富な経験を持つツポレフ設計局によるTu-144の計画が始まりました。この開発には、ソ連の威信がかかっていたこともあり、開発は他国より順調だったようで、「コンコルド」の初飛行(1969年3月)より数か月早い、1968(昭和43)年12月に初飛行を成功させています。

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ソ連の超音速旅客機、ツボレフ Tu-144(画像:Viacheslav Lopatin/123RF)。

 Tu-144を導入した航空会社は、ソ連のナショナルフラッグキャリアであるアエロフロートのみ。ただ、ソ連の対抗心は半端ではなかったようで、同社では「コンコルド」よりひと月早い1975(昭和50)年12月にTu-144を貨物機として営業路線に投入します。その後Tu-144は1977(昭和52)年に旅客便を運航するのですが、1978(昭和53)年に、燃料漏れによる火災事故を起こしたことで運航を終了。旅客便に限定すると、その運航回数は100回程度と記録されており、屈指の短命旅客機となってしまったのです。

 なおTu-144は、デビュー前の1973(昭和48)年のパリのエアショーで墜落事故を起こしており、製造された16機のうち2機が失われています。その後1990年代にNASA(アメリカ航空宇宙局)が新世代のSST開発における基礎研究のためにTu-144LLという機体を使用しましたが、途中で費用的な面からキャンセルされてしまいました。

 Tu-144は先述の通り「コンコルドスキー」という不名誉な名称で呼ばれることもあるほど、機体の外形は「コンコルド」そっくりです。ただ、量産型ではコクピット両側に可動式の翼「カナード(先尾翼)」という旅客機としてはユニークな装置を装備することで離着陸性能を改善。エンジンも胴体側に配置するような違いも見られます。

 Tu-144が陥落後、唯一のSSTとなった「コンコルド」。ただ、経年化のなか2000(平成12)の航空事故、翌年の同時多発テロなどの影響もあり、2003(平成15)に運航終了となります。その後SSTは計画こそ出てくるものの、実際に実現した例はありません。

【懐懐懐!】「コンコルド」の機内とコックピット+JAL仕様の「幻SST」

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