地下鉄との隙間たった1.1m! 首都高C1地下化工事のいま 「日本橋の青空」復活への超絶技術

生まれ変わる前の「日本橋川の上空」を船から眺める

 今回は日本橋にある船着き場から船に乗り込み、地下化区間の現状を川から眺めました。現在は、旧江戸橋出入口の高架の一部に撤去作業の足場が掛かっている状況です。

 船から見た日本橋川は、道路から見るのとは違い、想像以上に歴史的な構造物が多く残されていることがわかります。日本橋や江戸橋だけでなく、西河岸橋や一石橋、常盤橋、新常盤橋など、年季を感じさせる橋が続くほか、常盤橋周辺の河岸には江戸城の石垣も残っています。

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首都高地下化事業の概要図(画像:首都高速道路)。

 常盤橋付近には、ツタの絡んだ、窓のないビルのような構造物が河岸に立っています。これは現在の八重洲線の換気所です。この区間では八重洲線を拡幅する形で都心環状線が地下で合流することから、換気能力を高めるため、この換気所は新たな建屋に建て替えられる予定です。

 現在の首都高は、1964(昭和39)年の東京五輪に間に合わせるため、当時の土木技術を結集して作り上げられたもの。首都高の担当者も「河川の線形にあわせ、曲線を組み合わせた高架橋は設計・施工が難しいものだった」と話します。ビルの隙間を縫うように走る高速道路は、当時の人々にとって、日本の近未来を象徴するような風景でもありました。

 地下化工事の完了後、高架橋の一部を土木遺産などの形で残すかどうかについては、現在特に計画などはないとのこと。水上を曲りくねる首都高の風景はまだ都内の各所で目にすることはできますが、日本橋の石積みのアーチ橋とが織りなす風景は、残り20年弱となります。

【了】
 

【写真】日本橋川の上空を埋め尽くす首都高

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コメント

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2件のコメント

  1. 交通量が減って、単純に廃止しても差し支えなくなったら、だいぶおカネが浮くでしょうね…

  2. 152cm、42kgです。
    昔は38kgくらいしかなかったため着れる服が本当になく、買い物に行ってもサイズで諦めることが常でした。