日本のEEZでロシアが軍事演習 でも文句を付けたら負けなワケ 「お隣」の事例から解説

「ロシアが日本のEEZ(排他的経済水域)内で軍事演習」という文字面だけを眺めると、ずいぶんな横暴に思えるかもしれませんが、国際的にはどのように受け止められるのでしょうか。「お隣」の事例などから解説します。

中国のEEZにおける対応の実例 国際的な法解釈では…?

 そして実際に、中国はアメリカが行った軍事的な調査活動や情報収集活動に対してさまざまな妨害行為を行っています。たとえば2009(平成21)年には、南シナ海で活動していた音響測定艦「インペッカブル」号に対して漁船や公船が周辺を取り囲み、進路妨害などを行ったほか、2016(平成28)年には中国のEEZ内を飛行していたアメリカ海軍のEP-3E電子偵察機に対して戦闘機をスクランブルさせた上に、機体を急接近させるなどの危険飛行を行いました。

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アメリカ海軍のEP-3E電子偵察機(画像:アメリカ海軍)。

 北朝鮮や中国のように、自国のEEZ内における他国の軍事活動について明確な規制を設ける国は、2021年現在、世界で18か国存在しますが、国際的にはこのような国際法解釈が容認されているとはとてもいえません。

 たとえば、アメリカはこうした軍事的な活動が沿岸国に対する敵対的な行動をともなわない限り平和的なものであり、国際法に合致するものと考えています。そして、この見解はUNCLOSをはじめとする国際法の規定とも合致するものといえます。

 今回の日本海におけるロシア軍の演習に関して、もしこれを法的に問題視したりすることがあれば、それは中国や北朝鮮と同様、日本も国際社会における常識を逸脱する国と見なされかねません。日本の国益を考えるのであれば、感情的な反応は避けるべきでしょう。

【了】

【写真】ホントに普通の「漁船」? 米艦の活動を妨害する中国船

Writer:

軍事ライター。現代兵器動向のほか、軍事・安全保障に関連する国内法・国際法研究も行う。修士号(国際法)を取得し、現在は博士課程に在籍中。小学生の頃は「鉄道好き」、特に「ブルートレイン好き」であったが、その後兵器の魅力にひかれて現在にいたる。著書に『ここまでできる自衛隊 国際法・憲法・自衛隊法ではこうなっている』(秀和システム)など。

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