英軍「インド太平洋に哨戒艦を恒久配置」の本気度 将来派遣の沿岸即応部隊との違いは? 課題も
来日したイギリスのウォレス国防相が、インド太平洋地域に自国海軍の哨戒艦2隻を常駐展開させるとともに、将来的には「LRG」と呼ばれる沿岸即応部隊も派遣することを明言しました。しかしLRGには課題もあるようです。
英海軍、今夏に哨戒艦2隻を太平洋に派遣
イギリス海軍は2021年7月24日(土)、哨戒艦「タマール」と「スぺイ」の2隻を、8月末よりインド太平洋に常駐展開させると発表しました。
これは、20日(火)に防衛省で行われた、岸 信夫防衛大臣とイギリスのウォレス国防相との直接会談において、ウォレス国防相が発した「イギリス海軍は2隻の哨戒艦を年内にインド太平洋地域に派遣し、恒久的に展開させる」という表明に基づくものです。
イギリス海軍によると、哨戒艦2隻の派遣はオーストラリアや日本、シンガポールなどの国々をサポートするものであり、2隻を常駐させることで、インド太平洋地域の外交関係に大きな変化をもたらすとのこと。
イギリスは、これまで以上に同盟国やパートナーシップ締結国と緊密に協力していく予定であり、ウォレス国防相は「数年後には『沿岸即応部隊』もインド太平洋地域に展開させる計画がある」としています。このイギリスが派遣を計画している沿岸即応部隊とはいったいどのようなものなのでしょう。
沿岸即応部隊は英語では「LRG:Littoral Response Group(リトラル・レスポンス・グループ)」と呼ばれるもので、2020年頃からイギリス国防省が提唱するようになりました。
イギリス海軍および海兵隊を中心とした水陸両用部隊を、従来よりも細分化し、小回りの利く機動性に富んだユニットで運用するというものです。
イギリス国防省は、LRGをCSG(Carrier strike group:空母打撃群)と同じくらい同国の海洋戦略において重要なものと位置付けており、すでに北大西洋への配置が進行中です。
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