「2階建て旅客機」WW2直後に存在? 超豪華ワガママボディのプロペラ機「377」 祖先はB-29!?

第二次大戦後に日本の民間航空が再開されたころ、羽田空港に乗り入れてきた旅客機に、胴体がまるで下膨れしたかのような「ボーイング377」がありました。この不思議な形のモデルは、どのような機体だったのでしょうか。

ダルマボディの旅客機ができるまで

 戦前に完成していたのが、B-17の基本システムをそのまま利用し、開発期間を短縮したボーイング307という旅客機です。

 このモデルは、1940(昭和15)年にパンナムで就航しましたが、生産機数は10機にとどまりましたが、初めてとなる本格的な与圧(機内の圧力を高め、人為的に気圧を地上と近い環境にして居住性を高める)客室を持っていたことが特徴です。生産機数こそ少なかったものの、307は与圧システムを搭載した飛行機の試作的な意味合いも強く、その経験をB-29で活かすことになります。

 307の開発が終わったボーイング社では、B-29の基本システムを活用し、新たな輸送機を開発します。「C-97」と名付けられたこの機体は、B-29の胴体を拡張し、その上部に、新設計の大きな与圧客室を乗せたようなユニークなスタイルの輸送機となりました。

 C-97は1944(昭和19)年に初飛行し、「ストラト・フレイター(成層圏貨物機)」との愛称が付けられます。さらにこれを旅客機向けにアレンジしたモデルが、ボーイング377「ストラト・クルーザー」だったのです。

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B-29爆撃機(画像:アメリカ空軍)。

 377は1947(昭和22)年に初飛行し、性能も評価されていたものの、製造は58機にとどまっています。機体の価格が高かったため、ライバル機のほうがコストパフォーマンスに優れていたことや、その後すぐにジェット旅客機開発が本格化したことなどが要因として知られているところです。

 しかし377は、その後の707を始めとするジェット旅客機でも一般的となる、与圧装置を装えた客室で高高度を巡航するというスタイルの可能性を切り拓いたほか、現代でいえばエアバス「ベルーガ」やボーイング「ドリームリフター」の先駆け的存在である、超大物貨物輸送機「グッピー」シリーズの原型となるなど、その後の航空業界の発展につながるような功績を残しています。

【了】

※一部修正しました(8月6日11時39分)。

377の胴体が肥大化 あまりにユニークな輸送機「グッピー」をさっと見る

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