デカすぎる中央分離帯? 道路中央の巨大な空き地は何なのか 動き出す計画
中央分離帯にしては大きすぎる、広大な草っ原が敷地にある道路が各地に存在します。その空き地を整備する計画が進んでいるところもあれば、別の用途へ一時的に転用する例も。空き地が物語る“計画”を探ります。
多摩丘陵を貫く未完の「大幹線」 ようやく
東京の多摩丘陵を貫く幹線道路、そのど真ん中に長らく放置されていた巨大な空き地が、姿を変えつつあります。
東京都建設局が2021年7月、都市計画道路「南多摩尾根幹線」のうち稲城市から多摩市までの4km区間について、4車線化事業に着手しました。これにより、同道路は全線で4車線化事業が認可されたほか、その準備工事が進んでいる箇所もあります。
南多摩尾根幹線道路は、神奈川県境に近い町田市の町田街道から、調布市の多摩川に架かる多摩川原橋までを結ぶ約16.6km。1960年代に多摩ニュータウンの建設とともに計画された、多摩丘陵を貫く幹線道路です。多摩川から先は北多摩地区を南北に結ぶ調布保谷線に接続しており、神奈川から埼玉まで連絡する重要道路の一部に位置付けられています。
幅員は標準で43mと広いものの、2021年現在、その大半は暫定2車線(片側1車線)。上下線のあいだには、幅30m以上もある草っ原が延々横たわっています。現在の車道は、片側1車線であるうえにアップダウンが連続することもあり、しばしば渋滞します。
この車道は本来の側道で、当初は真ん中に自動車専用部が設けられる計画でした。住民の反対運動などで頓挫し、長らく放置状態に。その間、何度かの計画変更を経て今回、ようやくその空き地を道路に使う事業が全線で認可されたのです。
当初の自動車専用部を設ける計画は変更され、車道4車線とし平面構造(立体部なし)で沿道へのアクセス性を確保、また車道の外側には、片側およそ19m幅という自転車道・歩道部も整備されます。起伏に富む南多摩尾根幹線道路は「おねかん」と呼ばれ、都内におけるサイクリングコースの定番のひとつになっていますが、歩道・車道との分離で自転車の安全性も確保されそうです。
新関越道、早く開業して欲しい。