デカすぎる中央分離帯? 道路中央の巨大な空き地は何なのか 動き出す計画

巨大な空き地、なぜできるのか?

 こうした中央部などに広大な空き地がある道路は、各地に存在しますが、その活用が具体化する例も近年増えています。

 たとえば、国道17号「新大宮バイパス」は、東京都内からさいたま市内の与野JCTまで、道路の真ん中に高架で首都高(5号池袋線・S5埼玉大宮線)が設けられていますが、与野JCTより北は、道路の真ん中に断続して空き地が続いています。

 もともと与野JCT以北も専用部を設ける構想があり、それを見越した用地を取得して地上道路を先に開通 させていました。長らく放置されていたこの空間を活用し、首都高を上尾市内まで8km延ばす「新大宮上尾道路」の事業が2017年度から始まっています。

 同じ埼玉県の東側では、国道4号のバイパス「東埼玉道路」の中央部に、外環道から北へ分岐する有料道路を建設する事業が2020年度から始まりました。現状の東埼玉道路は一般部(側道)のみが続いており、この一般部の延伸も同時並行で進められています。

 仙台市内の国道4号「仙台バイパス」でも、特に混雑する交差点部を立体化する事業において、道路中央部のスペースが活用されています。仙台バイパスは昭和の時代から広い用地が確保されており、4車線から6車線へ、そして一部交差点の立体化と、交通量の変化に対応してその用地が活用されてきました。

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東埼玉道路(中央)の越谷レイクタウン周辺。道路の真ん中に高架の自動車専用道が建設される(画像:Google Earth)。

 側道など一部のみを先に開通させ、その後の自動専用部や拡幅を別事業として後から進めるのは、事業費が過大にならないようにするといった目的があります。ただ、その改良の事業化にはたいてい、多くの時間を要し、巨大な空き地が手つかずのまま残るというわけです。

 このため国土交通省も、事業化が遠い道路用地について、暫定的に一般へ開放したり、期限付きで別用途に貸し出したりすることを認めています。石川県の金沢外環状道路 海側幹線では、道のど真ん中にあたる未開通の本線部分に、マクドナルドがオープンしたという例もあります。

【了】

【道路の真ん中に広がる草原】未完の「尾根幹」を写真で見る

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コメント

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1件のコメント

  1. 新関越道、早く開業して欲しい。