米陸軍 BAE製トラック型自走砲の評価試験をアリゾナで実施 ボルボ製ダンプがベース
装輪自走砲ながら最大射程は50kmを超えます。
ボルボのダンプトラック+長砲身155mm砲
イギリスに本拠を置く防衛・航空宇宙関連企業のBAEシステムズは2021年10月11日(月)、自社製のトラック型自走砲「アーチャー」について、アメリカ陸軍での評価試験を完了したと発表しました。
「アーチャー(ARCHER)」は、スウェーデンとノルウェーが共同開発し、BAEの北欧子会社BAEシステムズABが製造する車輪駆動の自走榴弾砲です。車台にはスウェーデンの自動車メーカー、ボルボが製造する6輪駆動のダンプトラック「A30」のコンポーネントが用いられ、そこに長砲身の155mm榴弾砲が自動装てん装置とともに搭載されています。
自動装てん装置を搭載しているため、射撃準備にかかる時間が短く、かつ1分あたりの射撃速度も早いのが特徴です。また乗員は外に出る必要がなく、すべての操作を装甲で覆われた乗員室で行えるようになっています。
BAEによると、アメリカ陸軍は「アーチャー」の評価試験を今夏、アリゾナ州ユマにある試験場で行ったとのこと。試験では450発を射撃し、アメリカ陸軍が装備する既存の榴弾砲などとの互換性や機動性、整備性、射撃統制システムの性能など、陸軍が指定するパフォーマンスをクリアしているかどうかを検証したとしています。
なお、アリゾナ州の試験場では気温が摂氏50度にも達したそうですが、そのような高温下でも「アーチャー」は問題なく作動したといいます。
「アーチャー」をアメリカ陸軍が採用するかは不明であるものの、10月11日から13日までの期間、アメリカの首都ワシントンDCにおいて開催中のアメリカ陸軍協会の武器展示会「AUSA」において、展示公開されています。
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