「フォード・マスタング」はなぜ特別なのか 本格的カーアクションが伝説となった映画『ブリット』

大作アクション映画には欠かせない要素となっているカーアクション。映画においてルーツといえる『ブリット』で主役級の活躍を示した「フォード・マスタング」の伝説を、改めてひもときます。

敵は「ダッジ・チャージャー」

 そして、マスタングの敵である殺し屋のクルマとして登場するのが、「ダッジ・チャージャーR/T 440」。こちらは、排気量440cu.in.=7.2リッター、最高出力380馬力、最大トルク664NmのマグナムV8エンジン、4速マニュアル・トランスミッション搭載というマスタングを上回る強敵です。

 名称のR/Tは、ロード・アンド・トラックの略で、一般道でもサーキットでも走れることを表しており、いわばハイパフォーマンス・グレードです。このクルマを運転していたのは、殺し屋役として出演し、数々の映画でカーアクションを担当したスタントドライバーでもあるビル・ヒックマンでした。

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1968年「フォード・マスタングGT390ファストバック」(左)と2019年「フォード・マスタング・ブリット」(画像:フォード)。

 さて、2台のマッスルカーが対決する場所は、アメリカ西海岸のサンフランシスコ市街。『スパイ大作戦』や『燃えよドラゴン』のテーマ曲で知られるラロ・シフリンの渋いラテンジャズのサウンドトラックが流れる中、チャージャーの後をひっそりと付けるマスタング。それに気付いたチャージャーが「キュルキュルキュルキュル!」とホイールスピンしながら急発進して逃げ出し、マスタングが「ガロロロロロロロロ!」と追いかけるところからカーチェイスを開始します。

 FR(フロントエンジン、リア駆動)のハイパワー・マッスルカーが豪快にタイヤを滑らせながらドリフトし、たまに曲がりきれずに他のクルマやガードレールに激突、チャージャーのホイールキャップが合計4枚以上飛んでいっているのはご愛敬。

 さらに、サンフランシスコ名物の急坂を、派手にジャンプしながら下っていく2台。追っかけっこは郊外の山道にもつれ込み、マスタングが「ガンッ! ガンッ!」とチャージャーに体当たりし、新車の2台ともボッコボコ。助手席に座っていた殺し屋がショットガンをぶっ放し、マスタングは穴だらけ。

 あわやというところで、マスタングがチャージャーを弾き飛ばし、コントロールを失ったチャージャーはガソリンスタンドに突っ込み、「グワアァァァァン!」と大爆発するのでした。

【フォード公式】ハイランドグリーンが眩しい「マスタング・ブリット」

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