路上うねる超重コンクリートの蛇! 高速道路で活用広がる「ロードジッパー」とは?
高速道路上の工事で「ロードジッパー」なるシステムが活用されています。重いコンクリートの防護柵を、大きな車両を走らせるだけで一瞬にして移動させるというもの。一般利用者にとっても、工事区間の環境が大きく変わっています。
システムとしての「移動式防護柵」ことロードジッパー
道路上の重いコンクリート製防護柵が、まるで蛇のようにうねり、一瞬にして移設されていく――これを可能にする巨大な「働くクルマ」が、高速道路で活躍の場を拡げています。
NEXCO東日本は2021年10月27日(水)、小畠 徹社長の定例会見を開催、そのなかで、2022年度に管内で床版(舗装が載る道路の床板部分)の取替工事を含む大規模なリニューアル工事を23か所で実施すると発表しました。
床版の取り替えは舗装を全て剥がして行うため、工事スペース確保のため長期の車線規制が敷かれます。そこで活用されているのが、前出したコンクリート製防護柵と、それを移設する車両を用いた「ロードジッパー」と呼ばれるシステムです。日本語では「移動式防護柵」とされます。
通行車線と規制箇所の境界に連続して設置されるブロック状のコンクリート防護柵は、1個あたり長さ1m、重さ680kg。これを「BTM(Barrier Transfer Machine」と呼ばれる車両で、柵の上を乗り上げるように走行すると、車両の下部にあるS字のレールに沿って、防護柵が車両の反対側の車線に整然と移設されていきます。
ロードジッパーはアメリカで開発され、2016(平成28)年にNEXCO東日本が日本で初めて試験導入。いまではNEXCO中日本、西日本でも活用されています。
ただBTMと呼ばれる車両は、防護柵を「移設する」だけで、「設置する」機能はありません。規制前には1個1個の防護柵をクレーン車で設置する必要があります。
それでも、ロードジッパーの導入により、作業員も一般の利用者も、工事区間の環境が劇的に変わっているようです。
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