ぐるぐる道路はお好き? 関東周辺の無料「ループ道路」5選 巨大構造物はなぜできた?

ぐるぐると回りながら高度を上げていくループ構造の道路が日本各地にあります。土木構造物としても注目され、なかには観光スポットになっているものも。東京から日帰りでも行ける関東周辺5か所の無料ループ道路を紹介します。

短距離で高度を稼ぐ苦肉の策

 道路や鉄道では、大きな高低差を克服するため、「ループ構造」が用いられることがあります。

 かつてトンネル技術も未発達な時代、山を越える道路は、何度もヘアピンカーブを描きながら斜面を登っていくような線形がよく見られました。現代の高規格な道路では、長いトンネルが多くなってきましたが、どうしても高低差を埋めなければならず、スペースに制約もあるなどの場合に、ループ橋などが設けられます。

 同様の理由で、高速道路のICやJCTのように高架と地上をコンパクトにつなぐ際にも、ループが多用されます。

  大自然や都会の真っ只中を道路がヘビのように渦巻く様子は、土木構造物の機能美を感じさせられるダイナミックな光景でしょう。この記事では、東京から日帰り圏内にある無料で通れるループ道路を紹介します。

レインボーブリッジ取付部(東京都港区・江東区)

 東京港に架かる吊り橋のレインボーブリッジ(東京港連絡橋)は、貨物船や豪華客船が通過できるよう、海面上52mもの高さに橋桁が架かっています。

 もともと高架を走っている首都高はそのまま海上の吊り橋部につながっていますが、首都高の下を走る一般道路と新交通のゆりかもめは、西側でループを描きながら高度を上げ、吊り橋部に取り付きます。

 鉄道と道路が一体的にループになっているのは、全国でもここだけです。

河津七滝ループ橋(静岡県河津町)

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国道414号の河津七滝ループ橋(画像:写真AC)。

 河津七滝ループ橋(七滝高架橋)は静岡県の下田市と沼津市を結ぶ国道414号にあります。七滝は「ななだる」と読みます。

 直径80m、ぐるりぐるりと2周回って、高低差45mを稼ぎます。周辺は桜の名所になっており、花見のシーズンはループ橋と桜が織りなす美しい光景が見られます。

 1978(昭和53)年、伊豆大島近海地震によりこの周辺で大規模な土砂崩れが発生したことを受け、高低差を稼ぐ新道が建設されることになり、ループ橋が採用されました。

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コメント

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1件のコメント

  1. 五選、ではなくてこういう場合は、5つ、でいいんじゃないですかね?