漂流の「軽石」関東へ接近 フェリーへの影響は? ジェット船の対策も聞いた
小笠原の海底火山の噴火によると見られる大量の軽石が漂流し、沖縄などでは船の往来に大きな影響を及ぼしています。伊豆諸島や関東にも漂着するなか、運航事業者はどう対応しているのでしょうか。
「軽石」沖縄では定期航路の欠航も
2021年11月現在、小笠原の海底火山「福徳岡ノ場」の噴火によるものと見られる大量の軽石の漂着により、沖縄などではフェリーの欠航や漁船の活動自粛が相次ぐなど大きな影響が出ています。船が航行する際、漂流している軽石を巻き込んでしまい、機器が故障する懸念があるためです。
JAMSTEC(海洋研究開発機構)は16日(火)、漂流のシミュレーション結果から、19日(金)以降にまとまって伊豆諸島へ到達する見込みだと発表しました。すでに伊豆諸島の一部の島や千葉県の海岸などでも、噴火によるものと見られる軽石の漂着が確認されていることから、各自治体も対策の準備を進めています。
船への影響はどうでしょうか。東京~伊豆諸島航路のフェリーやジェット船(ジェットフォイル)を運航する東海汽船は、11月17日(水)現在、運航への影響は出ていないと話します。
「沖縄のように港の中まで大量の軽石が入ってきている状況には至っていません。(伊豆諸島は)黒潮の流れのなかにドンと島があるようなロケーションですから、港のなかへ(軽石が)多量に滞留することは考えられていません」(東海汽船)
また各島には、メイン港と方角の異なる場所にサブ港があるため、状況に応じて柔軟に運用していく構えだそうです。
ただ、ジェット船は通常の船とは構造が異なります。ジェット船は、船体を宙に浮かせるようにして最大80km/hもの高速で航行できるのが特徴ですが、このとき船体の下の水中翼と呼ばれる部位から海水を吸い込みます。
低速時は水に浮いて航行しますが、東海汽船によると、このとき水中翼は水面下5mにあるため、漂流する軽石を多量に吸い込む可能性は低いとのこと。海面を筋状にまとまって漂う軽石の姿も報告されていますが、それを避けて運航するとともに、もし通過せざるを得ない場合は、「速度を落とし、水に浮いて航行する」ということです。
【了】
多少わかりにくところがありますね。
このとき船体の下の水中翼と呼ばれる部位から海水を吸い込み→後部水中翼の部分に吸込口がありますが、水中翼とは別の機構です。機体を持ち上げる「翼走」時のみならず着水しての「艇走」の低速時にも水を吸い込みます。
低速時は水に浮いて航行→水に浮くのは間違いではないですが、着水と書いた方がわかりやすいかと。