「危険なバス停」なぜできた 全国1万か所も容易でない移設 危険なのはバス停のせい?

国の調査で全国1万か所以上あるとされた「危険なバス停」。なぜこのようなことになったのでしょうか。事業者は順次、移設などの対策をとってはいるものの容易ではありません。そもそも、バス停の存在が本当に危険なのでしょうか。

対策は進んでいるが…

 これら「危険なバス停」については市町村も協力して、より安全な場所への移設や停車位置の変更などの対策を施すべきとされました。2021年11月、移設などの対応がなされたのは全国約1400か所、13%ぐらいが対策済みという報道がなされました。

「たった1割程度!?」と思われるかもしれません。しかし私はよくこの短期間に1400か所ものバス停を移設できたものだと感じます。バス事業者も当該市町村もかなり一生懸命取り組んだ結果だと思います。

 というのも、バス停を移設するというのは簡単にできることではないからです。現在、バス停を設置するには、道路交通法を遵守することはもちろん、道路管理者や警察に照会して安全な場所であることや、交通その他の支障にならないこと(駐車場の出入口や消火栓の近くを避けるなど)を確認したうえで、その場所の住民や地権者の了解を得なければなりません。

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大田区仲六郷の商店街を行く京浜急行バス蒲73系統。この商店街にある仲六郷一丁目バス停(下り)が危険度Aランクだったが、2021年4月に移設された(乗りものニュース編集部撮影)。

 しかし商業化や宅地化が進むと、いたるところに車や人の出入口があり、その邪魔にならない場所を見つけるが難しくなります。加えて現在、目の前の住宅にとってバス停は、(待つ人の話し声やバスの発着で)うるさい、汚される、覗かれるという、いわば“迷惑施設”とも言われる存在となりつつあり、むしろ合意が簡単に得られる状況ではないのです。

 また、バス停で待つ人の安全も考慮する必要があるため、広いスペースが取れて安全に待てるという場所を選ばなければなりません。バス停で安全に待ってもらえるようにと、バス停前の地権者が厚意で民地をセットバック(前面道路から後退)させてスペースをつくり、舗装してベンチまで置いてくれた事例もありますが、そのようなありがたいケースはごくまれだと言ってよいでしょう。

 移設が難しいとなると、そのバス停は現在地で注意喚起するか、どうしても現在地が安全上不適切というなら廃止するしかなくなります。しかし前述のように古くからのバス停が多いため、得てして該当するバス停は利用者が多く、なかなか廃止の決断ができないのが実態です(廃止となったケースも実際にあります)。

【移設できる?】東京 特異な立地の危険度Aランクバス停(写真)

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