「危険なバス停」なぜできた 全国1万か所も容易でない移設 危険なのはバス停のせい?

国の調査で全国1万か所以上あるとされた「危険なバス停」。なぜこのようなことになったのでしょうか。事業者は順次、移設などの対策をとってはいるものの容易ではありません。そもそも、バス停の存在が本当に危険なのでしょうか。

危険なのは「バス停があるから」ではない

 より安全なバス停をめざすという方向性はもちろん正しいことです。現状のバス停に課題があるのも事実でしょう。しかし「危険なバス停」という名が付けられるほど本当にバス停自体が危険なのでしょうか。もっと言うと「事故が起きたのはバス停のせい?」なのでしょうか。

 前出した横浜市で起きた事故の場合、主な要因は乗用車の運転者の過失だったはずです。大型車が停車していればその周囲に死角ができます。すれ違ったり追い越したりするときは、そこから人や自転車などが飛び出してくることは当然予測して運転しなければなりません。本来はそうした一般ドライバーへの注意喚起がまずなされるべきだったと考えられます。

 そして子どもたちにも、昔から指導されていたはずの「降りたバスの直前直後の横断はしない」「道路を横断するときは止まって右を見て、左を見て」という安全教育を再度学校や家庭で徹底させることが求められます。

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都市計画道路沿いのバスベイ(停留施設)。このようにバス停も考慮してデザインされた道路は、実際にはわずかだ(乗りものニュース編集部撮影)。

 今回、「危険なバス停」が公表されたことにより、調査や移設に関わることになった市町村が関心を持ったこと、利用者や住民に意識されたことで、改めて安全への意識づけになったのはよいことです。とはいえ本来、大切なことは、バス停を“悪者”にすることではなく「バス停があるからこそ注意して運転する」歩行者優先の安全意識、「見通しの悪いところは特に注意して横断する」という身を守るための安全意識を徹底することではないでしょうか。

【了】

【移設できる?】東京 特異な立地の危険度Aランクバス停(写真)

Writer:

1956年山梨県生まれ。フリーの交通ジャーナリストとしてバス・鉄道に関する論文や記事を多数執筆。国土交通省や自治体、バス事業者のアドバイザーや委員も務める。著書に『日本のバス~100年のあゆみとこれから』など。

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