線路脇のタコ焼き器? 黒い円盤にランプたくさんの鉄道用「信号機」 その意味は

鉄道信号機には、赤や青といった色で情報を伝えるもののほか、ランプの配置に意味を持たせるものがあります。黒い円盤に7つのランプが設けられたものも、そのひとつ。全て同じ色ですが、3つ同時に光ることで意味を伝えています。

タコ焼き器みたいな信号機

 線路脇や駅のホームには様々な鉄道の設備があります。中でも光を発する信号機には赤や黄、青といった複数の色が光るものもあれば、1色だけのものも。そのひとつが「中継信号機」です。

 黒い円盤に計7つのランプがついた、まるでタコ焼き器のような見た目の信号機がそれです。色は全て白(電球色)で、一定時間ごとに点灯する位置が変わります。どのような信号機なのでしょうか。

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タコ焼き器のような見た目の信号機。一定時間ごとに点灯する位置が変わる(2021年11月、大藤碩哉撮影)。

 中継信号機は、赤や黄、青を表示する信号機の手前に設置され、その信号機がいま何色を表示しているかを予告(中継)する役割をします。カーブや勾配などにより、運転士が前方の信号機を目視できない場合に設置されるもので、道路にあるクルマ用の「予告信号機」に似ているでしょう。

 中継信号機が表示するのは3パターンのみです。3つのランプが同時に光り、それぞれ「縦一列」「横一列」「斜め右上がり」を表示します。このように、点灯する配置に意味を持たせる信号を灯列式信号機といいます。

 前方の信号機と中継信号機の表示の関係を見てみます。前方の信号機が「青」(進行)の際、中継信号機は「縦一列」、「赤」(停止)の際は「横一列」、「黄」(注意)・「黄青」(減速)・「黄黄」(警戒)の際は全て「斜め右上がり」を表示。呼び方はそれぞれ「進行中継」「停止中継」「制限中継」です。

 列車は中継信号機に差しかかっても、ほかに制限を示す標識などがなければ表示に関わらず通過できます。中継信号機は、列車が前方の信号機に差し掛かると同時に表示を変え、後続列車に前方信号機の色を「中継」するのです。

 つまり動作としても、「縦一列」→「横一列」→「斜め右上がり」→「縦一列」……というサイクルを繰り返すことになります。

【了】

【写真】「中継信号機」そのほかの表示と設置風景

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1件のコメント

  1. 写真7/7の説明
    「一定時間ごとに点灯する位置が変わる」というのは誤りなので削除してください。