プロペラがお尻にある「推進式」戦闘機、何がメリット? WW2では開発合戦 名残はいまも

プロペラ機において、プロペラは機首または主翼の前部に付けるもの、という常識を覆し、プロペラを機体の後部に付けた「推進式」の航空機は、第2次世界大戦で異彩を放つ存在でした。その名残は今の戦闘機にも引き継がれています。

推進式軍用機が再登場

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陸軍のフォート・メイヤー基地でデモ飛行前の「ライト・フライヤー」(画像:アメリカ議会図書館)。

 軍用機の主流となった牽引式でしたが、構造上の不利な点をすべて克服するのは困難でした。エンジンが前にある牽引式は操縦席や主翼もやや前方に置かれており、バランスを取るため機体が長くなり、重量も大きくなってしまいます。その点、操縦席のすぐ後ろにエンジンがある推進式は機体をコンパクトにまとめることが可能であり、なおかつ機体の軽量化がしやすく、牽引式と比べると速力の向上が見込めるほか、複数の機銃を機首に集中配置することもできます。

 牽引式で同様に機首に機銃を集中して搭載するには、ロッキードP-38のように双発機にしなければならず、重量が大きくなるとともに運動性能も落ちます。そこで、推進式を再登場させる試みが始まりました。

 第2次世界大戦の直前からいくつかの国で推進式戦闘機の研究が始まりました。イタリアが1939(昭和14)年7月に初飛行させた推進式のアンブロージアSS.4は、機首にカナードを持ち、主翼に垂直翼を取り付けていました。しかしこの機体は2回目のテスト飛行で墜落、パイロットが死亡するほどの大事故を起こしてしまいました。しかも直後に第2次世界大戦が始まったこともあって、その後の開発は後回しになり、1942(昭和17)年には開発中止になりました。

 イギリスではマイルズM.35リベラの一種が、ドイツではジェット機開発の過程で計画された無尾翼機のブローム・ウント・フォスP.208と水陸両用実験機ドルニエDo.212が推進式でしたが、いずれも実用化していません。

 アメリカはカナード翼をもつカチーチス・ライトXP-55アセンダーと二重反転プロペラのノースロップXP-56ブラックバレットを試作しています。いずれも陸軍の迎撃機として計画され、速力で既存の牽引式を上回る次世代機となるはずだったものの、失速や機体の安定性などの問題を解決できずに開発中止に追い込まれました。

【胴体、短っ!】各国がチャレンジした「推進式」プロペラ機を写真で見る

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コメント

5件のコメント

  1. >>操縦席のすぐ後ろにエンジンがある推進式は機体をコンパクトにまとめることが可能であり

    この部分ですぐにP-39「エアラコブラ」を思い浮かべました。

  2. >> しかし、サーブ39グリペンや中国のJ-20など現代の

    >> 戦闘機には、かつての「震電」と同様のものです。

    ???

    〜現代の戦闘機には「カナード翼を持つ機種もあり、これは」かつての震電と同様の〜

    とかかしら?

    • ご指摘ありがとうございます。記事を修正しました。

  3. この時期のプッシャー戦闘機は他に米のエアラクーダ、仏のナルヴァル、蘭のSchelde S.21辺りが思いつきます

    またDo.212のような推進式の飛行艇は無数にあります

  4. リーブ21

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