緊急着陸のF-16 燃料タンク投下のワケ 海上では高価なミサイルを投棄するケースも

青森空港に緊急着陸したF-16戦闘機の、投下した燃料タンクの落下位置が問題になりました。タンクの投下そのものは緊急時の対応としてごく一般的なものですが、タンクどころかミサイルを投棄することもあります。

なぜ燃料タンクを投下?

 しかし、そもそもなぜF-16はわざわざ燃料タンクを投下する必要があったのでしょうか。

 結論からいえば、それは緊急着陸に際してのリスクを極力減らし、安全に着陸するためです。たとえば、燃料タンクやミサイルなどを搭載したまま緊急着陸を行えば、万が一、着陸に失敗したり、あるいは不測の事態が発生したりした場合に、これらに引火して爆発または炎上する危険性があります。

 そうなれば、機体やそのパイロットのみならず、空港設備や駐機中の航空機などに大きな被害が及ぶ可能性も否定できません。また、燃料タンクや兵装類はそれ自体、かなりの重さがあるため、着陸時の機体重量が重いと速度が落ちにくかったり、あるいは機体の状態によっては飛行が困難になったりしてしまいます。そこで、爆発や炎上のリスク回避や、機体重量の軽減化によって、より安全に着陸することを目的として、今回F-16のパイロットはマニュアルに従って燃料タンクを投下したというわけです。

Large 20211205 01
アメリカ海軍の空母「ニミッツ」に着艦するF/A-18E「スーパーホーネット」。ブリングバック能力に優れる(画像:アメリカ海軍)。

緊急着陸だけではない 空母の着艦前に兵装を投棄する理由

 実は、今回のように緊急着陸を行う場合のみならず、戦闘機が兵装や燃料を投棄しなければならないケースが見られます。それが、空母への着艦です。

 そもそも、航空機には着陸(着艦)時の重量に制限があり、これを「最大着陸重量」といいます。この最大着陸重量を上回る兵装や燃料を搭載している場合、それを海上に投棄しなければ空母への着艦ができないわけです。もっとも、平時に着艦時のことを考えず発艦ないし離陸することはないでしょうから、このように兵装を投棄することは、それはそれで緊急の措置という見方もできるかもしれません。

 しかし、無誘導爆弾やロケット弾しか搭載していない時代であればいざ知らず、現代の兵器は精密誘導爆弾やミサイルなど、1発あたりの値段が非常に高価なものばかりです。したがって、この最大着陸重量が多ければ多いほど、その戦闘機は兵装や燃料を無駄なく持ち帰ること(これを「ブリングバック」といいます)ができる優れものということがいえるわけです。

【写真】F-16戦闘機が緊急着陸した青森空港

最新記事

コメント

1件のコメント

  1. 今回の記事は残念

    まるで結論が出ているとでも言うような見出しに騙されたと感じる

記事ランキング

  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号
  3. 「危なすぎる!」阪神高速“中の人”がブチギレ!? “衝撃動画”とともに呼びかける「ドライバーが守るべき3つのこと」とは
  4. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  5. ウクライナ軍の「1000機の無人機」がモスクワの製油所を襲撃!“タンクが吹き飛ぶ瞬間”を捉えた映像を大統領が公開 今後の影響は?
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 「“再有料化”でいいから4車線化して」→普通車280円になって1年 利用者負担で勝ち取った“効果”あきらかに 八木山バイパス