JR九州高速船クイーンビートル“日本籍”に 宝の持ち腐れ解消へ? パナマ船籍から変更

「便宜置籍」のために制約がありました。

日韓航路の高速船 コロナ禍で本格稼働できず

 JR九州高速船は2021年12月16日(木)、新型高速船「クイーンビートル」をパナマ船籍から日本船籍に変更する手続きを開始したと発表しました。

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クイーンビートル(恵 知仁撮影)。

 クイーンビートルは福岡と韓国・釜山を結ぶ航路の新型船として2020年10月に博多港へ入りましたが、新型コロナの影響で国際運航ができない状態が続いています。

 2021年3月からは、国土交通省から特例を受け、福岡県の沿岸で遊覧運航を行うなどしているものの、「国内での臨時運航などの事業可能性を広げるため、日本籍に転籍することが望ましいとの判断に至りました」ということです。

 クイーンビートルは「トリマラン」、日本語で「三胴船」と呼ばれる珍しい形状が特徴。水に沈む部分が少ないため水の抵抗が減り、高速性能と安定性を発揮します。もともとは日韓を結ぶLCCとの競合を意図して導入されました。

 コスト面などで有利なパナマ船籍とすることは、外航船においては一般的な手法ですが、自国内の物資や旅客の輸送は自国籍船に限るという規制があるため、国内航路への就航も難しい状況でした。

 JR九州によると、日韓関係の悪化もあり、「コロナが落ち着いたとしても日韓航路へ就航できるかは未知数」だといいます。今後は船籍登記のほか船舶検査、無線局検査などを経て、2022年3月中の日本船籍化を予定しているとのこと。その後どこに就航させるかは決まっていないものの、これにより国内各港間の運行が可能になるといいます。

【了】

【広い!】クイーンビートルの内部を写真で見る

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