フィリピン 艦齢約80年のベテラン哨戒艦2隻を退役 世界でもレアな元南ベトナム軍艦

乗組員は維持整備に苦労したんじゃないでしょうか。

3か国をわたり歩いたベテラン艦

フィリピン海軍は2021年12月12日(日)、長年にわたって現役であり続けた2隻の哨戒艦(コルベット)「ミゲル・マルバール」と「マガット・サラマット」を退役させたと発表しました。

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退役式典における「ミゲル・マルバール」(艦番号PS-19)と「マガット・サラマット」(同PS-20)2隻のフィリピン哨戒艦(画像:フィリピン海軍)。

 「ミゲル・マルバール」と「マガット・サラマット」、この2隻が就役したのは、いまから80年近く前の1944(昭和19)年3月のこと。太平洋戦争中のアメリカにおいて前者は護衛艇(パトロール・クラフト・エスコート:PCE)として、後者は掃海艇として建造され、それぞれ大西洋と太平洋で用いられました。

 その後、1960年代にベトナム共和国(当時)、いわゆる南ベトナムに供与されて同国海軍警備艇として使用されるも、1975(昭和50)年4月の同国崩壊によってフィリピンへ脱出。両艦は1976(昭和51)年4月5日、正式にフィリピン海軍へ編入され、以後45年にわたってフィリピン海軍艦船として使われ続けたのです。

 フィリピン海軍は2000年代以降も第2次世界大戦中に就役した艦を数多く運用していたものの徐々に数を減らし、最後まで残っていたのが、艦齢77年にも上った「ミゲル・マルバール」と「マガット・サラマット」の2隻でした。

 今回の老齢艦2隻の退役により、フィリピン海軍において艦齢70年以上の戦闘艦は姿を消したものの、依然として揚陸艦(LST)や貨物船としてごく少数が残っています。

 ただフィリピンは現在、近代化プログラムを推進中のため、これらも近い将来、退役する予定です。

【了】

【写真】自衛艦「はつひ」改めフィリピン軍艦「ラジャ・フマボン」ほか

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コメント

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2件のコメント

  1. フィリピン軍なんてどこも戦力として期待なんてしてないから
    老朽艦でもへーきへーきw

  2. 蒸気タービンですか