2021年注目された陸自車両3選 目撃例多数の“装輪戦車” スクープされた北欧製軍用車ほか

120mm迫撃砲も牽引可能な「汎用軽機動車」

 今年、事実上の初お目見えとなった陸上自衛隊の車両といえるのが「汎用軽機動車」です。

 名前だけ聞くと、なかなかイメージしにくい装備ですが、要は4輪バギータイプの小型車両です。カワサキモータースが開発した「ミュール」という北米仕様のバギーに、陸上自衛隊特有の装備を追加したもので、陸上自衛隊が運用し始めたV-22「オスプレイ」の機内に搭載できるコンパクト性がウリの支援車両です。2021年5月に開催された富士総合火力演習で公式として初めて公開され、ネット上で大きな話題となりました。

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富士山の麓に広がる東富士演習場の近くを走る汎用軽機動車(武若雅哉撮影)。

 汎用軽機動車は積極的な戦闘を行うことは想定していないため、防弾板などは装備せず、機関銃などを搭載する架台も設置しないとメーカーの担当者はいいます。

 とはいえ、従来の陸上自衛隊が保有するなかでV-22「オスプレイ」に載せられる車両は、オートバイやリヤカーぐらいしかなく、既存のトラック類は軒並みサイズ的に無理だったので、汎用軽機動車を装備化したことで「オスプレイ」とセットで運用できる車両の幅は広がったといえるでしょう。

 防御力はほぼゼロであり、積載力や牽引力にも限界があるため、積極的な攻撃戦闘などには投入しづらい車両です。ゆえに敵と接触した場合は、後部座席や助手席に座る隊員が小銃で応射しながら後退する形になるでしょうが、自衛隊員の徒歩移動よりも迅速に動くことが可能で、オートバイよりも積載力や牽引力に優れていることから、離島防衛などで期待できる「ルーキー」です。

【「16式機動戦闘車」「汎用軽機動車」「AMV XP」を様々なアングルから】

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