2021年注目された陸自車両3選 目撃例多数の“装輪戦車” スクープされた北欧製軍用車ほか

フィンランド製として初の採用なるか「AMV XP」

 そして忘れてならないのが師走の12月上旬に、陸上自衛隊の富士学校内を走る姿が捉えられた「AMV XP」です。この車両は陸上自衛隊が導入を計画している次期装輪装甲車の候補として導入したもので、フィンランドのパトリア社が製造した外国製車両です。

 陸上自衛隊としては、現在運用中の96式装輪装甲車の後継として、このAMV XPと三菱重工製の「MAV(Mitsubishi Armored Vehicle)」の2車種で性能比較トライアルを行う予定のようです。

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陸上自衛隊の富士駐屯地のなかを走り回るフィンランド製の装輪装甲車AMV XP(武若雅哉撮影)。

 パトリア製AMV XPと三菱製MAV、どちらが採用されるのかどうかは全くの未知数ですが、陸上自衛隊では次期装輪装甲車についても96式装輪装甲車と同様に、400両近い数の調達を行うと考えられるため、仮にAMV XPが採用されたら、外国製装甲車としては異例の大量運用となるでしょう。

 過去、陸上自衛隊はアメリカ製のM3A1装甲車(いわゆるハーフトラック)やM20装甲車から始まり、最近では水陸両用車(AAV7)や輸送防護車(ブッシュマスター)などが外国製として導入した例があるものの、いずれも100両未満でした。

 また、もしAMV XPが採用されたら陸上自衛隊初のフィンランド製装備となります。その点で、この次期装輪装甲車の選定の行方は注目です。

 以上、2021年に注目を集めた陸上自衛隊の3種類の車両を列記してみました。来年は今年の話題を上回る何かが登場するのでしょうか。楽しみに2022年を迎えたいと思います。

【了】

【「16式機動戦闘車」「汎用軽機動車」「AMV XP」を様々なアングルから】

Writer: 武若雅哉(軍事フォトライター)

2003年陸上自衛隊入隊。約10年間勤務した後にフリーフォトライターとなる。現場取材に力を入れており、自衛官たちの様々な表情を記録し続けている。「SATマガジン」(SATマガジン編集部)や「JWings」(イカロス出版)、「パンツァー」(アルゴノート)などに寄稿。

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