JR山田線「日本一遅い始発」返上 朝6時台に盛岡発宮古行き誕生 3月ダイヤ改正
盛岡から宮古へ朝イチで行けるようになります!
宮古行き最終は17時台に繰り上げ
JR東日本盛岡支社は2021年12月17日、来春のダイヤ改正の詳細を発表。その中で、JR山田線のダイヤも見直しが行われます。
山田線は、岩手県盛岡市の盛岡駅と宮古市の宮古駅を結び、内陸~三陸を東西直結する102.1kmの路線。全国でも有数のローカル線で、両市境は長い峠越えとなっており、区界~上米内間は25.7kmでJR東日本最長の駅間距離となっています。
その山田線の宮古~盛岡間を通しで運転される列車は現在4往復。ただ、盛岡発宮古行きの列車は、日中は快速「リアス」として運転されるため、各駅停車の始発は盛岡発18時03分でした。その関係で、途中の区界・松草・平津戸の3駅にとっては、この列車が始発。平津戸駅の始発列車は19時9分発で、「日本一遅い始発列車」となっていました。
それが今回のダイヤ改正で変わります。川内を朝8時台に出発する宮古行きが、盛岡6時32分発の各駅停車の通し列車となるのです。これにより先述の3駅の宮古行き始発列車も夜から早朝に。「日本一遅い始発列車」ではなくなります。
これは「青春18きっぷ」利用者にも朗報で、これまで宮古行き始発は11時台の快速「リアス」という遅い時刻でしたが、盛岡で宿泊すれば、朝一番の列車で山田線を宮古駅まで乗り通すことが可能になりました。通過駅も無いため、ひとつひとつの駅を楽しみたいファンにとってもありがたい存在です。
一方で、盛岡発20時11分の宮古行き最終列車は上米内どまりに。これにより、盛岡→宮古の山田線の最終列車は17時46分と、大幅に繰り上がります。
あわせて、宮古を朝5時に発車していた盛岡行きは、盛岡市街の上米内発に短縮。その代わり、宮古発6時45分の列車が盛岡まで通しで走るようになります(従来は川内どまり)。
これも「18きっぷ」利用者には朗報と言えるかもしれません。朝イチの宮古発盛岡行きの発車が、「夜明け前」とも言える時刻から、起きやすい早朝の時刻になったからです。
山田線では、急勾配が連続して車輪の空転が多発するなどして、早朝便を中心に遅延が慢性化していました。盛岡方面行きの列車のダイヤ見直しは、盛岡市民が通勤通学に利用する列車を上米内発にすることで、山岳地帯で発生した遅延の影響を受けないようにするねらいもあると思われます。
【了】
自動車道がどんどんできて鉄道は劣勢ですが、全線通しの列車は1日3〜5往復なのに残すつもりがあることが驚きです。