「運賃上乗せ」正式決定 駅のバリアフリー化費用 「利用者で負担」へ 国の補助率は引き上げ

新たな料金制度が創設されます。

バリアフリー化加速に向け本格化

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JR恵比寿駅のエレベーター(乗りものニュース編集部撮影)。

 国土交通省は2021年12月24日(金)、鉄道の料金制度について、新たに「鉄道駅のバリアフリー化により受益する全ての利用者に薄く広く負担を頂く制度」を創設すると発表しました。

 あわせて、市町村がバリアフリー基本構想の対象とした駅については、バリアフリー化の整備費用を国が補助していますが、その補助割合を1/3から1/2に引き上げます。

 バリアフリー化費用の運賃上乗せについては、5月に閣議決定された「第2次交通政策基本計画」で方針が示されていましたが、今回正式に制度創設を発表した形です。

 この費用上乗せのやり方については、検討段階では、「原則として、対象設備の整備費用等を超えない範囲」で設定され、「設備の供用開始後、総徴収額の回収が終了するまでを原則とする」としています。

 上乗せ額についてはまだ発表されていませんが、以前行われた国によるインターネット調査では、利用者負担に賛成する人のうち約7割が「1乗車あたり少なくとも10円の上乗せは妥当」としています。

 このバリアフリー化費用の位置づけについては、鉄道新線を建設する際に建設費用を運賃に上乗せする「加算運賃制度」と同じく、急務となる施設整備について、受益者負担により速やかに資金を調達して実現を図るものとしています。「加算運賃制度」により運賃に建設費用が上乗せされているのは、JR・南海の関西空港線や、JR瀬戸大橋線、京王相模原線などがあります。

【了】

【「20円くらいなら」皆が考える「許容額」は】

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コメント

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2件のコメント

  1. この制度を活用する鉄道会社は,『まだバリアフリーが完了していない駅』を『補助が必要な人』が利用しようとした際には,必ず要望に応えるんですよね。
    たとえ無人駅だろうが,近隣の駅から駅員を派遣してでも,その人を補助するんですよね。

    全ての利用者から上乗せ料金を徴収する以上は,「手間のかかることは実行しません」などとは言えませんもの。

  2. 列車とプラットフォームとの間のすき間や段差が無くなれば、係員も減らせるのでしょう。