「駆逐戦車」ってなに? 戦車のようで戦車じゃないのにほぼ戦車扱いされた絶滅危惧種!

結局ほぼ戦車じゃないの? WW2期独ソの運用

 これら駆逐戦車が敵戦車と対峙した際は、強力な砲でそれらを素早く撃破することが期待されました。砲塔を持っている戦車よりも、車高が低くできるので隠密性も高まりました。しかし、射線を変更する場合、砲塔がないので車体ごと動く必要があり、機動力を活かした戦闘より、車両が潜伏している場所まで敵車両をおびき寄せる待ち伏せ戦法に適していたといわれています。

 なお、類似した車両に「突撃砲」というものがありますが、これは砲兵科に所属する固定砲を持った車両で、元々は歩兵に随伴し、拠点攻撃などで火力支援するのがおもな任務でした。しかしこちらも、大戦中盤以降は明確に対戦車任務も付与されることになり、兵科が違うだけで、運用の方法は駆逐戦車と同じく戦車の代わりという役目になっていきます。

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ソ連軍のSU-152。ほぼ戦車(画像:Bundesarchiv、Bild 101I-154-1964-28/Dreyer/CC-BY-SA 3.0、CC BY-SA 3.0 DE〈https://bit.ly/3FtqHWj〉、via Wikimedia Commons)。

 一方ソ連軍では、ドイツ軍の突撃砲に影響され、旋回する砲塔を持たない装甲車両の開発が行われました。それらは突撃砲、駆逐戦車の区別なく自走砲と呼ばれ、様々な任務で運用されます。やがて、敵対していたドイツ軍のティーガーIなど、既存の中戦車では撃破が難しい重装甲の戦車に火力面のみでも対抗するため、SU-85、SU-152のような大型の対戦車砲や榴弾砲を搭載した自走砲が開発され、これらがドイツ軍の駆逐戦車と同じような働きをしました。

やっぱりほぼ戦車 戦後西独が配備した「カノーネンヤークトパンツァー」

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コメント

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1件のコメント

  1. >結局、アメリカ軍の思惑とは違い、戦中から「戦車の相手は戦車がする」というのが

    う〜む。『ガンダム・オリジン』の「戦うモビルスーツ」だな。