福井に誕生「たけふ新」駅 なぜそこに「新」? 実は理由があった

そもそもなぜ「新」の位置がそこ?

 そもそもなぜ「新武生」ではなく「武生新」なのでしょうか。福井鉄道によると、現在の越前武生駅が開業したのは1924(大正13)年ですが、折しも、国鉄武生駅の駅前から東の戸ノ口町までを結ぶ武岡軽便鉄道(のちに福井鉄道南越線)が1914(大正3)年にすでに開業しており、その始発駅の駅名が当時「新武生」だったのです。

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南越線の旧村国駅付近の民家に残る160形電車(乗りものニュース編集部撮影)。

 中長距離列車が発着する国鉄駅と区別するため「新」を付けたい、でも「新武生」はもう使われている……そこで生まれたのが「武生新」という駅名でした。南越線が新武生から「社武生」に改称したあとも、福武線ではこの駅名を2010(平成22)年前で使い続けていました。

 今回、改称駅名の最終候補に「新武生」ではなく「武生新」が選ばれた理由についても、馴染みの深い旧駅名であるからとしています。

 さて、車内放送などはどうなるのでしょうか。かつては他の駅と同じく「この電車は、武生新ゆきです」「まもなく、福井新です」と放送していたため、それに準じる可能性が高そうです。

 ちなみに、島根県内の宍道湖北側を走る一畑電車には、「湖遊館新駅」という駅があります。こちらは「駅」までが正式名称。つまり、「湖遊館新駅駅前」などという言い方が生まれたりするのです。こちらも不思議な駅名と言えます。

【了】

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