「コンコルド・スキー」ことソ連渾身の超音速機Tu-144 瓜二つトホホ機から異例の転身

これまでの民間航空界で超音速旅客機は、たった2機種しかありません。かの有名な「コンコルド」、そして「コンコルド・スキー」と揶揄されたソ連のTu-144です。このTu-144はどのような機体だったのでしょうか。

「コンコルド・スキー」、コンコルドとどう違う?

 ソ連のTu-144とコンコルドとの大きな違いとして、Tu-144は機首の上下の操縦をより効率的にできるよう、機首の左右に「カナール(カナード)」と呼ばれる折り畳み式の先翼が装備されていることが挙げられます。カナールは離着陸時に動翼となって展開され、これが「コンコルド・スキー」と呼ばれたTu-144の大きな特徴となっていました。

 一方で、主翼の形状は2機種ともに前後に長いふたつの三角形を、前後方向に組み合わせた「ダブルデルタ翼」の後退角を緩やかにした「オージー翼」を採用。超音速飛行に移る際、機首から後方へ延びる「マッハ・コーン」という形状で衝撃波を発生させることから、この翼型は、強度を最優先させた結果ともいえるでしょう。

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ライバル機である「コンコルド」(乗りものニュース編集部撮影)。

 なお旧ソ連では、ツポレフ設計局の他に、大型機の開発の実績のあるミャシチョフ設計局も超音速旅客機の開発にあたったようですが、実機の完成には至らなかったようです。

 ソ連のコンコルドへの対抗心を示すがごとく、Tu-144はコンコルドより先んじて、「世界初」の記録を次々と打ちたてます。1968(昭和43)年12月31日、Tu-144はコンコルドより3か月早く初飛行。翌1969(昭和44)年6月には、民間機として世界初となるマッハ2を超える超音速飛行に成功。貨物便として、世界初の超音速輸送機の称号も持っています。

 ただ、Tu-144を“超音速旅客機=SST”と定義していいのか――というと、正直微妙なところです。確かに旅客を乗せたことはあるのですが、ほとんどのフライトは貨物便としてであり、旅客機としての就航はコンコルドが先です。旅客機としての飛行回数も100回程度に留まります。

令和のSST 「オーバーチュア」どんな機体?

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