「コンコルド・スキー」ことソ連渾身の超音速機Tu-144 瓜二つトホホ機から異例の転身

これまでの民間航空界で超音速旅客機は、たった2機種しかありません。かの有名な「コンコルド」、そして「コンコルド・スキー」と揶揄されたソ連のTu-144です。このTu-144はどのような機体だったのでしょうか。

運航終了後のTu-144、異色の転身へ

 Tu-144は旧ソ連の広告塔となるべく開発されましたが、結局、パリ・エア・ショーなどで2機が事故損失。実際の運航期間も1975(昭和50)年から3年ほどでした。「コンコルド」が英仏の威信をかけて、時間と手間をかけて開発、維持した結果、長く使用されたのに対し、Tu-144はそれには全く及ばない結果に終わりました。

 ただ、運航を終えたTu-144はその後、謎の転身を遂げることになります。1990年代にNASA(アメリカ航空宇宙局)がTu-144を引き取り改造し、次世代の超音速旅客機研究用のテスト機としたのです。NASAは「1990年初頭にツポレフ側から試験機として利用できると提案があった」としています。

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NASA時代のTu-144(画像:NASA)。

 ある意味“東西冷戦”そして“ソ連”の終結を象徴するような「NASAのツポレフ機」は、Tu-144LL(LLはロシア語で飛行実験室を意味するそう)としてロシア国内で27回の飛行を実施するも、その後資金を投入できなくなり、計画中止となりました。さらにその後、同機はオンライン・オークションで販売されましたが、成立しなかったとか。

 現在、世界にはTu-144を見学できる博物館があります。ロシアのモニノ中央空軍博物館のほか、ドイツのジンスハイム自動車&技術博物館にはTu-144だけでなくコンコルドなども存在するようで、筆者も是非ともこの眼で見たいと思っています。

 ちなみに先述の通り、Tu-144はコンコルド・スキーの名称があまりに広まっていますが、当時、東西冷戦下の西側諸国は、対立する共産圏の旧ソ連機にNATO(北大西洋条約機構)コード・ネームを付けており、Tu-144には輸送機の分類から充電器を意味する「Charger(チャージャー)」と名付けています。

【了】

※一部修正しました(1月12日17時15分)。

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