JALもコロナ禍でも「黒字ありの決算」に これまでと何が違ったのか? EBITDA黒字118億

依然厳しい状況が続くものの…。

貨物事業が貢献

 JAL(日本航空)グループが2022年2月2日(水)、2022年3月期第3四半期連結業績(2021年4月1日~12月31日)について取りまとめました。新型コロナウイルス感染拡大による需要低減で、第3四半期(2021年10月~12月)の純損益は233億円の赤字となったものの、EBITDAは118億円の黒字、営業キャッシュフローは91億円のキャッシュインフローとなり、この部分では2019年度第4四半期以来の黒字を達成しています。

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JALの旅客機(乗りものニュース編集部撮影)。

 国際線旅客収入は前年同期比156.8%増となる484億円、国内線旅客収入は 前年同期比27.4%増となる1744億円を記録。この数値はコロナ以前には遠く及ばないものの、昨年より大幅に改善した形です。とくに第3四半期は「年末にかけ大きく需要が盛り上がった」(JAL専務執行役員菊山英樹財務・経理本部長)とのこと。一方で「旅客収入は計画より下回った部分もある」(菊山本部長)とも話します。

 そこをカバーしたのは貨物郵便収入。前年同期比77.1%増、コロナ前との比較では3.5倍の売り上げとなる1610億円を記録しました。菊山本部長は「海上輸送が混乱し逼迫した状況が続いており、単価も高いので、貨物の貢献度は大きいです」とコメント。同氏は「社内では、この逼迫具合は少なくとも来年上期まで続くだろうという見解もあります」と今後の見立てを話します。

 また、旅客便の機動的な供給調整を行うことで運航費用などの変動費の抑制にしたことに加え、委託業務の内製化やITに係る経費の抑制、役員報酬の減額、社員の賞与減等、固定費の削減に努めました。実質固定費は前年度から228億円減3467億円となり、会社のスリム化も進んでいます。

 一方で「コロナ禍の長期化で厳しい財務状況が続く中でもボーイング787やエアバスA350の導入を着実に進め、国内線大型機についてはA350への更新をほぼ完了した」(JAL)とのこと。引き続き燃費効率が高く、旅客にとっても快適性が高い新機材への更新を進めることで、競争力の向上を図ります。

【了】

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