日米戦艦対決「大和」対「アイオワ」世界“最強”戦艦の軍配は?

兵器に関する話題の定番は「最強」論争。もちろん戦艦の分野でも定番の話題です。ここでは、世界最大の主砲を備えた日本の大和型と、世界最速で高性能なレーダーを搭載したアメリカのアイオワ級のどちらが最強か考えてみました。

「アイオワ」の方がレーダーや発射速度で有利?

 それでもやはり、「アイオワ」には高性能レーダーがあり、主砲発射速度でも「大和」に勝るから、命中弾数で有利というハナシもあります。

「アイオワ」のMk.8レーダーは管制員が口頭で報告した数字を手動で入力することから人的ミスも生じるものであり、距離の測定以外は光学照準が必要とされていました。実際、Mk.8レーダーのみの夜間砲撃では、レイテ沖海戦の戦艦「山城」に対して命中率は0.72%と低く、かつ頻繁に故障したといいます。そのため、レーダー照準射撃といえども「アイオワ」の有利を保証する要素にはなりえないと考えられます。

Large 20220213 01
旧日本海軍の大和型戦艦(上)とアイオワ級戦艦(アメリカ海軍の画像を加工)。

 なお、大和の二号二型改四電波探信儀(いわゆるレーダー)も電波照準射撃を行えます。観測精度はMk.8の方が上回るものの、探知距離はMk.8が約37km、二号二型は約35kmと大差ありません。敵戦艦の存在を把握するぐらいなら二号二型でも探知可能であるため、「アイオワ」は夜間でも奇襲できないでしょう。

 また、レーダーは装甲板で覆うことができないため、命中弾によって使えなくなる可能性も高いです。

 加えて命中率はレーダーのみで決まるものでもありません。両艦とも光学測距での照準が不可欠ですが、測距儀のサイズは「大和」が15.5m、「アイオワ」が8mですから、その点では「大和」が有利です。

 さらに、命中率には射撃時の安定性も影響します。これについては「大和」が台風でも安定していたのに対し、「アイオワ」は嵐の中でイギリス戦艦「ヴァンガード」の倍も動揺したという逸話があり、アイオワの方が劣っていたといえるでしょう。

【米国に残る大和型戦艦の遺品も】アイオワ級戦艦の発砲シーンほか

最新記事

コメント

16件のコメント

  1. 過去何度もこのテーマの議論を本などで読んできたか、もっと高い説得力を持つ記事。

    いつも「大和vsアイオワ」で指摘されるレーダー技術・速力・副砲塔周りの低装甲の全てに触れつつ、それぞれ実戦を想定したいわば“実能力”に基づいて予測している。

    結局、大和の本当のライバルは未建造に終わったモンタナ級だったということかな。

  2. 「レーダー射撃」という字面が「先進的な米軍」をイメージさせるのでしょうねえ

    工学に疎い人ほど、新しい技術を妄信している気がします

    3Dプリンターなら立体物に関して何でもできる。みたいな

    当時のレーダー射撃はイメージするほど立派なものかと言われれば

    基本的に後付けシステムであったため、測距儀のようにオンラインで

    GFCSに組み込まれているわけではなくレーダーの表示を人間が

    方位盤にデータを手入力するという方法だったし

    原理的に測距儀と比べ方位の精度が低く、当然レーダー単体では的速と針路の算定も甘い

    大和型戦艦の15m測距儀クラスになると30kmで平均中心誤差が185mだから、

    30kmまで大和型の光学照準の方が距離精度も上になるとかいろいろ問題があります。

    遠距離でも距離誤差が広がらない利点は近距離でも精度が上がらないとも言えますね。

    そもそも砲戦全体の話にするなら

    初速の遅い弾丸は目標の予想位置の誤差の影響大きく出るじゃんとか、

    日本側の方位盤の方が細かな諸元が入れられて理論的に計算精度良好とか、

    狙ったところに砲弾が落ちてないから散布界広いんだろとか、

    砲のプラットフォームとして安定してないとか、

    レーダーではどうしようもない種類の課題が山積みなのですが

    「レーダー射撃だから」で全部覆せると思うのは甘いというか、何というか

  3. 当時のレーダーでも着弾した水柱の位置はわかるようです。

    私がアイオワ艦長なら高速性を生かして大和を近づけず遠距離からレーダー射撃。

    名中弾を与えて構造物を破壊し、火災を起こした時点で接近して仕留めますね。

    やはり高速性とレーダー射撃が大きい。

  4. 32km以遠を保てば、「アイオワ」の主砲弾は大和の水平装甲を貫通できますが、そんな遠距離ではほぼ命中しませんし、「大和」の主砲弾はその距離でも「アイオワ」の装甲を貫通します。

    とのことだが、その文面だと大和の砲撃なら32キロ先でも当たるかのような言い草だな。

    大和も32キロ離れたらまず当たらんだろう。

    • いつも無理のある主張ご苦労様です。そもそも32キロ以内で戦えばアイオワの主砲は15キロ切るまで大和の側舷装甲に通用しません。当時の主砲の有効射程20キロ近辺で、大和はどこに当ててもアイオワの装甲を抜くがアイオワは何処に当てても大和の装甲を抜けない。この時点で勝負になりません。アイオワの唯一の勝機はスーパーヘビーシェル弾を25キロ以遠で、大和の甲板装甲の最も薄い部分に当てた時、被害を与える可能性がある事ぐらい。が、これも致命部では無いので致命傷は無理です。所詮高速戦艦のアイオワに大和相手は無理です。2倍の速力を出すには8倍の機関出力が必要で巨大な機関室を守る面積の大きい装甲は薄くても大半重くなる。

    • 英語圏では大和型は約31.6kmの距離でホワイト・プレーンズを第3斉射で夾叉したと考えられています。

      日本では他戦艦の射撃であるという見解もありますが、

      いずれにしろホワイト・プレーンズは執拗に夾叉を受け続けたことが記録されているため

      日本戦艦が射距離30km付近で交戦の意思なく回避運動する艦船に

      命中弾を出せる能力を有していたことは疑いようがなく

      夾叉が命中にならなかったのは運でしかありません

      誤解している人もいますが艦砲射撃には敵味方の位置、弾丸到達時の予測位置

      気象条件、緯度、狙った位置に弾丸を落とせるかの射撃精度などさまざまな要素があるので

      当時のレーダーの性能差は他の要素であっさり覆る程度のものでしかないです。

  5. そもそも、大和の射程が42㎞とか言っても、そんな長距離を最初から当てられるわけはない。何回か、試し撃ちをして、最終的に当たればいいよねというレベル。最初から当たるのはミサイルだけ。これは、大和だろうが、アイオワだろうが、現代の艦艇でも同じ。現代の艦艇で違うのは、観測がレーダーだけじゃなくなったということくらいだろう。

    それにこの記事の趣旨には大きく反するとは承知しているが、対水上戦をやるときに単独でやり合うということはあり得ない。仲間の船と袋叩きにするのが船の戦い方だ。

  6. よく比較されるのは同型艦の数でアイオワが勝つと言われてしまいがちですよね。

    アイオワは4隻、大和は2隻ですから。

    こっちはちょっとおまけしてもらって長門と陸奥を入れて4対4にしたらどうなるんだろうと思います。

    あとは同型艦での縛りなら金剛型の4姉妹とも比較できたらどうなるのかなと思いますね。

    金剛型は古いながらも俊足の持ち主だと聞いてますし…

    • やっぱり戦艦だけの艦隊決戦には夢がありますよねぇ…まぁ個人的には大和型二隻でも勝てるんじゃないかなあと思いますね。やはり運要素も大きいですが、アイオワ級1隻vs大和型1隻なら大和型優勢、アイオワ級2隻になったら五分五分くらいなんじゃないかなーと思ってます。

  7. ”新の最強”の定義が問題ですね。

    第2次世界大戦で戦艦が時代遅れになった時代背景を考慮しない”新の最強”議論は、ただのファンタジーです。

    確かに2隻が撃ち合えば、攻撃力・防除力に勝る大和が強いと思いますが、これは大艦巨砲主義と言う既に時代遅れのなったコンセプト上での話です。

    時代は高速空母を機動部隊です。速力の早いアイオワ級は湾岸戦争まで対応が出来ましたが、空母に随伴できない」大和は大和ホテルや武蔵旅館と呼ばれ活躍する場がありませんでした。

    その結果、沖縄特攻と言う愚策による悲劇が生まれました。

    ”優秀な戦艦”と言う点では、明らかにアイオワ級に軍配が上がります。

    軍艦の評価は、勝つためのどれだけ貢献したかです(建造目的)。

    一部の性能の優秀なところを探して、活躍できなかった戦艦を”真の最強”とするのはファンタジーとしか思えません。

    • その理屈なら最強はクイーン・エリザベス級でしょう。アイオワ級が果たした役割は戦艦である必要が無い物ばかりで、大和型のおよそ3倍の価格と運用コスト的にも全く引き合わない物です。クイーン・エリザベス級とは性能で比べ大和型とは戦歴で比べるというならその時々に都合のいい理屈を使い分けているにすぎません。

  8. 現代ということで言えばアイオワ級には対艦ミサイルなども積まれているので優秀な戦艦といえばアイオワに軍配が上がりますが、大和のほうがロマンはあると思います

  9. 博識さに、驚きました。

    プロフエッショナルですね。

    私は、古いタイプの連合艦隊ファンです。

    大和・武蔵は、やっぱり憧れの存在でして(笑)。

    因みに、伊勢・日向、山城・扶桑、および、陸奥・長門などに重巡『鈴谷』に搭載された152000馬力のエンジンを、搭載出来れば、よかったな… と、思いますが、如何なものでしょうか…?。

    陸奥と長門の主砲は、36cmとします。

    それの方が、各国で40cm砲の建艦競争が起こらなかったと、推測されるからです。

    何卒、貴重な投稿に、感謝致します。

    其では…

  10. 世界最強の戦艦はビスマルクです!誰も着目してませんがビスマルクは最大幅が36㍍あり、アイオワ級を凌ぎ、大和型戦艦38㍍にも匹敵し、速力30ノットと大和型戦艦をこれまた凌ぎます!一方アイオワ級は33㍍しか無く、カタログスペックでは33ノットですが全速にしたり一斉射撃すると反動で揺れ、当たりません!光学照準システム、レ-ダ-で敵艦を捕らえても反動で当たらないのです。これは大和型戦艦も同じで46㌢主砲の反動を受け止めるには狭いのです!加えて光学照準システムが悪く、遠距離になると自艦より低速な16ノットの護衛空母すら捕らえられなかったのが記録されてます!結局その護衛空母を撃沈したのは金剛級戦艦でした。一方ビスマルク幅が広く、安定しており、一撃で旧式とはいえ英巡洋戦艦フッドを沈め、プリンスオブウエ-ルズをフルボッコにして撃沈寸前に迄追い込みました。ドイツ軍の光学照準システムは世界一のカ-ルツァイスで日本の光学照準システムとは比較になりません!大事なのは艦の幅です!これが狭いと速力、砲撃の反動を受け止められません!つまりは大和型戦艦もアイオワ級戦艦も砲弾を当てるのが難しいのです!まあ、それは違うといずれ反論が来るのを楽しみにしております!待ってま~す!

    • だからといってビスマルクが最強か?と問われると、そうではないんじゃない?と思います。

      確かに言っていることは正しいところもあります。

      光学照準器はその典型例で、逆立ちしたって大和やアイオワは勝てないでしょう。そこはドイツの技術力のすごいところです。

      いくら強い砲でも当たらなきゃ意味がありませんから。また、命中率という点だけで言えば、コメ主のいうようにビスマルクの持つ広めの艦幅から生まれる安定性があれば、主砲の命中率も良いものだったはずです。

      しかし、英仏の16インチ砲搭載戦艦との交戦を想定したビスマルクでは、装甲の薄さが目立ってしまっています。船体中央部など、分厚いと言える箇所もありますが、それでも船体の大半が16インチの貫徹を許すほどで、一発一発の被害が大きくなりやすい船であるとも言えます。特に今回のような大和、アイオワのような一発の威力が大きい艦が揃うなかでは、ビスマルクは主砲の性能、装甲という面で遅れをとっているとも言えます。

      総じて、主砲の命中率は良い一方、弱点の多い装甲に、16インチと比べると性能が劣ってしまう主砲。主にこの2つから、私はビスマルクが世界最強であるとは思えません。

    • ビスマルクが強いというのはよぉぉぉく分かりましたぁ!しかし!全幅が大きくなるということはすなわち被弾面積が大きくなることを意味します。さらにアイオワ級戦艦には画期的な「ジャイロ安定装置」が組み込まれており、艦が動揺していても、指定した角度に艦が揺れた瞬間に発砲するようになっているので、全幅が小さいから不利とはならないと思いますけどねぇーニチャニチャ

      あとさっきからなにか勘違いしてませんか?大和の砲撃当たってましたよ?あれは単純に護衛空母は紙装甲なので過貫通しただけなんすよ。そもそも戦艦大和の主砲命中率は30km以遠での戦闘で戦艦の中でも極めて高い1.8%なんですよ。(これを低いとか言ってる人は戦艦のこと一切知らない人ですね)しかもそれは比較的近距離での戦闘のことを言っていますよね?ずーっと何言ってんだろなーと思ってましたよ。

      あとあなたが言う「艦体幅が大事」これ間違ってますよね。(あたり前ですけど)

      まぁしょせん戦艦同士の砲撃戦なんて運ゲーです。当たりどころが悪ければ一発轟沈。これが戦艦です。

      艦体幅とは命中率を高めるための一つの方法。しかもそれ自体には最初に言った通り被弾面積が大きくなることを指します。結局戦艦に大事な物は「総合的な強さ」です。一つの要素が勝ち負けを決めるのではなく、主砲口径、戦術、電子装備、設計、艦載機運用能力…など全てが噛み合った結果が勝ち負けを決めるのです。

      とまぁベラベラ言いましたが、結局運ゲーなんでいくら喋っても意味ないんですけどね(笑)

記事ランキング

  1. 航行中の護衛艦「かが」の周辺に「巨大な海洋生物」が出現! 艦艇勤務ならではの光景を海自公式が公開
  2. 「危なすぎる!」阪神高速“中の人”がブチギレ!? “衝撃動画”とともに呼びかける「ドライバーが守るべき3つのこと」とは
  3. 「知らなかった!」SNSで話題に 高速道路の“2つ並んだ赤い三角コーン”、実は超重要な「ある合図」だった! NEXCO公式が投稿
  4. 「断固たる措置を講じる」首都高公式ブチギレ! 「公平性を著しく損なう」非常識ドライバーに“鉄槌”…一体何が?
  5. ロシアのミサイル部品工場が「大炎上」 ウクライナ軍の航空機から発射した巡航ミサイルが「直撃」か
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号