都バス「ドル箱路線が軒並み大赤字」のナゼ コロナ禍で経営に天変地異 必要な施策は

都営バスにおける2020年度の系統別収支状況が発表されました。本数も利用者も多い看板路線やドル箱路線が、赤字のワーストに近い順位まで転落するという異常事態が起きています。

なぜ利用者が多い路線の赤字が大きいのか

 コロナ前の2018年度のレポートを参照すると、黒字系統は30系統以上存在し、上記の「都01」「都02」「王40」「白61」などもすべて黒字系統でした。それだけコロナ禍による減収の影響が大きかったという分析もできます。

 たくさんの乗客が利用し、運行便数が非常に多い路線はその事業者にとって収益の上がる、いわゆる「ドル箱」路線のようなイメージを持ちます。ところが、そのような路線ほど赤字がかさんでいるのはなぜなのでしょうか。そこには、全国的に路線バスに共通の要因と、東京という地域または東京都交通局という事業者に特有の要因、そしてコロナ禍による利用減という特殊要因がそれぞれ存在するように思われます。

 普遍的な要因は、一定の利用があって高いサービスを提供している路線には、それに見合う多くの投資をしていることです。輸送力を確保するためには、それだけ車両と乗務員を張り付けなければなりません。つまり高頻度・高サービスの路線には結果的に他の路線より多くのコストをかけていることになります。

 また、比較的距離の長い路線や、道路混雑などによって表定速度(運行距離/運行時間)が低い路線も、より多くの資源を投入しなければならず、コストがかかります。

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池袋~王子~西新井を結ぶ「王40」。乗車人員では2020年度も129系統中2位。しかし収支では119位に転落した(中島洋平撮影)。

 一方、路線バスの認可運賃は、“公共料金”的な意味合いのもと、一定の利益が出る程度の範囲で抑えられています。ざっくり言うと利益率は1割前後でしょう。ですから、都営バスもそうですが、黒字系統と言えど営業係数(100円稼ぐのにかかるコスト)で見ると良くて85ぐらいと、おおむね1割以内の利益幅となっています。

 そういう状況下で、コロナ禍による利用者減・減収が2割前後に達しました。コロナ前は黒字だった路線も単純に赤字へ転落する状況だったわけです。

【看板路線が軒並み「ワースト」】2020年度都営バス収支ランキング 画像で見る

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