「新宿発の小田急」路線バスだとレア なぜか? 小田急バス長大路線「宿44」武蔵境行き
新宿にターミナルを構える小田急、しかし路線バスだと、毎日新宿に発着する小田急バスの定期路線は、たったひとつしかありません。その「宿44」系統は東京23区内でもトップクラスの長大路線ですが、もはやレアな存在になっています。
「新宿発の小田急」毎日運行の路線バスはたった1路線
新宿駅西口から吉祥寺駅を経て、武蔵境駅までを結ぶ路線バスを、小田急バスが運行しています。「宿44」系統と呼ばれるこのバス路線は、運行距離18kmを超える、都内でもトップクラスの長大路線です。
バスは新宿駅西口、小田急ハルク前の停留所から発車し、地下に京王新線が走る甲州街道(国道20号)を南西へ進みます。杉並区内で井の頭通りに入り、京王井の頭線に並行する形で吉祥寺駅へ。その後は南へ進み、井の頭公園の中を通過しつつ、地図上では三鷹駅を南へ迂回するように、武蔵境駅の南口までを結びます。時刻表上の所要時間は1時間15分です。
新宿に鉄道ターミナル駅を構える小田急グループの一員である小田急バスですが、高速バス便が新宿駅から毎日多数、発車している一方、一般的な路線バスは「宿44」ともう1路線があるのみで、毎日運行となると「宿44」しかありません。
というのも、新宿駅の南西側は京王電鉄バスグループの営業エリアだからです。この「宿44」の前身は、東京駅を始発ないし終着とし、新宿駅から武蔵境駅のあいだは現行のルートとほぼ同じという路線で、かつては京王、小田急、東京都交通局(都営バス)の3者が共同運行していました。そののち、地下鉄網の発達などにともない、京王と東京都交通局が撤退したという経緯があります。
以後、都営バスのエリアである新宿駅以東を短縮し、甲州街道上では大部分において京王のバス停を共用する形で、小田急バスが単独で運行しているのです。
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