なぜここまで爆売れ? エアバスA320が「世界一売れた旅客機」になったワケ-1987.2.22初飛行

A320はなぜここまで売れたのか?

 エアバス社、そして欧州が威信をかけて開発したエアバスA320は1988(昭和63)年4月、エールフランス航空のパリ~デュッセルドルフ~ベルリン線で就航。同年、デモフライトで墜落事故を起こす(報告書では機体の性能が原因ではないと結論づけられた)アクシデントに見舞われることなどもありましたが、順調に受注を獲得します。

 A320はその後、胴体延長タイプの「A321」、短縮タイプの「A319」をはじめ、時代や航空会社のニーズに応じ、多数の派生型を展開しました。その結果、当初発注ベースで450機程度だったのが、2012(平成24)年に5000機、2020年には1万機目が顧客に納入(派生型を含む)されるなど、世界一のメガヒット機になりました。

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1988年2月のエアバスA320ロールアウト・初飛行の様子(画像:エアバス)。

 なぜここまでA320は爆発的に売れたのでしょうか。

 初号機を受領したローンチカスタマーのエール・フランス航空は、以下の趣旨のコメントをしています。「A320は、さまざまなサイズのサブタイプを製造できるように考案された機体であることから、運用航空会社に、保守と運用両面で経済的な価値を提供します」。

 A320はまったくの新設計ゆえ、ライバル機ではなしえなかった課題を埋めるようなデザインを採用できました。たとえばA320は、大型化に対応できるような長い脚をもち、航空用貨物コンテナの搭載などにも対応。パイロットの免許もすべての派生型(A320ファミリー)で共通資格としています。これらはすべて、初のジェット旅客機「707」の設計を流用したボーイング社のライバル機「737」とは対照的とされている点です。

 革新的なテクノロジーの導入、なにより後発組であることを逆手にとった、航空会社にとって“かゆいところに手が届く”旅客機にしたことが、A320ファミリーがメガヒット機になった一因といえるのかもしれません。

【了】

【…チョロQ?】A320の変わり種派生型 超短胴「A318」

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コメント

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5件のコメント

  1. 単通路機両側3人掛けで、世界一の室内幅を誇る(B737より約17cm広い)。よって座席幅をゆったり出来る。記事ではこの点に触れていない。

  2. そもそもA320には元になったダッソーメルキュールという旅客機があったわけだし、記事ではこの事に触れていない。

  3. 機械翻訳なの?ウェールズの王子って、プリンス・オブ・ウェールズの訳?
    英国の皇太子のことですよ。

  4. 「プリンス・オブ・ウェールズ」「プリンセス・オブ・ウェールズ」はウェールズ公(=王族としての公爵を指すprince)及び公妃を意味し、グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国(UK)の王太子と王太子妃に与えられる称号です。
    当時の王太子と王太子妃はチャールズとダイアナですね。

  5. ありがとうございます。日本でも当初はANA(グループの航空会社を含む)で数機導入していましたが、現在では、ANAグループでは更なる大量導入、なんと言っても日本の2大LCC(peach,Jetstar)は両社共にA320シリーズを大量導入しています。このことから日本ではLCCの飛行機として馴染みがあるようですね。