「温泉に耐えてます」開通当時は“東洋一のアーチ橋”、その下は“地獄!?” 高速道路からは気づかないスゴい橋とは

開通当時「東洋一のアーチ橋」とも呼ばれた橋が大分県に存在。この橋は“地獄”の名がつくほど強い酸性の温泉地帯に耐えながら、絶景を創り出しています。

「地獄」をひと跨ぎする橋

 川や海、谷といった地形を克服して道路を通すには、橋の建設が不可欠です。そうした橋には、耐荷重性や十分な耐震性能、さらには強風や塩害といった「地域特有の事情」への対応が求められます。そのなかでも、極めて特殊な事情を織り込んで作られた高速道路橋のひとつが、大分県の「別府明礬(みょうばん)橋」です。

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山側から見た別府明礬橋。別府市街地と別府湾、さらには別府湾に迫りそそり立つ高崎山まで視野に入る(植村祐介撮影)

 別府明礬橋は東九州道(建設当時は大分道)の別府湾SAと別府ICの間、別府市西部の山間から別府湾に流れる春木川が作り出した谷筋にかかる橋です。橋長411m、地上約50mのコンクリート固定アーチ橋で、支間(橋台や橋脚どうしの距離)235mは1989年の開通当時で日本最長。「東洋一のアーチ橋」とも呼ばれたと県は紹介しています。

 橋の直下には、別府の温泉郷を形成する別府八湯のひとつ、「明礬温泉」があります。この明礬温泉は、その名のとおり「明礬」、すなわちその成分に、硫酸塩の化合物を多く含んでいます。

 明礬温泉を通り抜ける国道500号沿いには、源泉からの豊富な湯量を活かした温泉宿が立ち並び、噴出した温泉水に含まれる湯の花を採取する「湯の花小屋」も点在するなど、独特の街並みが楽しめます。駐車場にクルマを停め車外に出るとすぐわかりますが、周囲は非常に強い硫化水素の匂い(いわゆる硫黄の香り)が漂います。

 また春木川が作る谷筋は海に向けほぼ真っ直ぐに伸びているため、温泉街越しに広がる別府湾の景観も、明礬温泉の特徴となっています。

 こうした明礬温泉の上空をまたぐ別府明礬橋ですが、その建設にあたっては、景観への配慮だけでなく、構造においても特段の工夫が求められました。それは、前述の温泉成分である明礬に含まれる硫酸塩が、コンクリートの劣化に強い働きを持つ成分だからです。周囲の土壌も、空気も、温泉の影響を強く受けていることが大きな課題となりました。

【地図/写真】これが「温泉に耐えている」絶景の橋です

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