ロシア使用の「燃料気化爆弾」は「TOS-1」か その兵器特性と見えてくる戦場の現状

ロシア軍がウクライナ軍との戦闘において、いわゆる燃料気化爆弾を使用したとの報道がありました。「燃料気化爆弾」にも様々な種類があり、地上兵器のTOS-1と見られます。その根拠と兵器特性、そこから見える現状などを解説します。

「TOS-1A」とはどんな兵器?

 TOS-1Aの「TOS」というのは、ロシア語の「重火力投射システム」の頭文字を取ったもので、字面を見ても大火力の強力そうな兵器です。ロシア軍の保有量は不明ですが、少数しか配備されていないと見られています。しかも火力支援を任務とする砲兵部隊ではなく、CBRN(化学・生物・放射性物質・核)防護部隊に配備されているのも特徴で、扱いには専門の知識と技術が必要な特殊兵器であることがうかがえます。

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TOS-1Aからのロケット弾発射の瞬間(画像:ロシア国防省)。

 TOS-1Aは、220mmの燃料気化爆薬(サーモバリック)弾頭ロケット弾を最大24発連射できるランチャーを、T-72戦車の車体に載せたものです。サーモバリック弾頭は固体の化合物を気化させることで、粉塵と強燃ガスの混合気体を作り出し爆発させる気体爆薬で、構造が簡単で小型にでき威力が大きいという特徴があります。核兵器と混同する向きもあるようですが、全くの別物です。

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TOS-1Aに装填された燃料気化爆薬(サーモバリック)弾頭ロケット弾の頭部(画像:ロシア国防省)。

 ロシア/ソ連軍が保有するようになったきっかけは、対ゲリラ戦に悩まされたアフガニスタンでの戦訓です。1980年代に開発されましたが、秘密兵器であり、存在が明らかになったのは1999(平成11)年のことです。

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TOS-1Aに装填されたロケット弾の尾部(画像:ロシア国防省)。

 比較的、近距離から人員や軽装甲目標、陣地や建物を大火力で一気に制圧しようというもので、破壊力は気圧差による爆風で発揮するので、戦車や装甲車内で防護された人員には被害を及ぼしにくく、対機甲戦闘には向きません。

TOS-1Aが目撃されたホメリ駅の位置

ロシア軍のウクライナ侵攻 最新情勢 戦争はどうなっているのか

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