関西~北九州でド競合「阪九フェリーvs名門大洋フェリー」どう選ぶ 存在感増す“動くホテル”

関西から北九州市まで、瀬戸内海を航行する「阪九フェリー」「名門大洋フェリー」の2社は、料金・サービスでしのぎを削っています。ただ高速道路・LCCなど、そのライバルは海上だけではありません。

2社間だけじゃなく陸路や空路と戦ってきた

 関西~北九州間のカーフェリーの歴史は1968(昭和43)年、阪九の航路開設から始まり、予想を覆す早期の黒字化に刺激を受け、1973(昭和45)年には「名門カーフェリー」「大洋フェリー」が相次いで航路を開設します。現在の社名にも引き継がれている「名門」は、名古屋~門司間を運航(1976年休止)していた頃の名残で、2社は1984(昭和59)年に運営統合を行い「名門大洋フェリー」が誕生します。また阪九もほぼ同じ航路を運航していた「西日本フェリー」を買収、再編を経て現在の体制となっています。

 しかし近畿圏~九州の航路にとって、ライバルはむしろ同業他社というより、陸路や空路にありました。

 まず陸路は、1983(昭和58)年に中国道が近畿圏から九州まで全線開通した後にフェリーの旅客利用率は7%減少、追い討ちをかけるように1993(平成5)年には山陽道が全線開通したことで冬場の道路凍結リスクが解消され、多くの荷主が海上輸送からトラックによる陸送に切り替えました。

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東京九州フェリー船上から新門司港フェリーターミナルを望む。時間帯によっては東京発着のオーシャン東九フェリーや阪九フェリーの船と並ぶ(宮武和多哉撮影)。

 また鉄道貨物も2002(平成14)年の北九州貨物ターミナル供用開始から輸送能力が大幅に上がり、コンテナ輸送での競合が激しくなったほか、旅客の面では、2012(平成24)年に日本初のLCC(格安航空)を謳ったpeach(ピーチ)が開設した関西空港~福岡空港間の路線も脅威となりました。

 こうしたなか、2008(平成20)年から実施された、いわゆる「1000円乗り放題」をはじめとする高速道路の大幅な値下げ、同時期に導入されたトラック向けの一律割引を提供するETCコーポレートカードの導入などが重なり、フェリーの貨物輸送は大きな打撃を受けました。当時、阪九・名門大洋など長距離フェリー業界の減収は300億円以上に上ると試算され、存亡の危機にあったと言えるでしょう。

【メシがうまい!!!】阪九フェリー&名門大洋フェリー 乗船レポを写真で見る

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