露侵攻関連で飛び注目 「世界の終わりの飛行機」とは? 見た目は「ジャンボ」747
初代「世界の終わりの飛行機」採用から今まで
アメリカは東西冷戦下の1960年代、本土の地上にある軍の中枢機構が核の先制攻撃を受けることを想定し、当時のSAC(戦略航空軍団)の指揮を空中から実施することを目的に、ボーイング707/KC-135ベースの指揮所航空機、EC-135「ルッキング・グラス」をデビューさせました。これが、「世界の終わりの飛行機」の“初代”といえるでしょう。同機は11機つくられ、1961年2月から1990年7月まで24時間体制で空中警戒にあたりました。
ただ、アメリカ空軍では、航続性能、搭載量、内部スペース、居住性(長時間任務ですから)などの理由からEC-135の能力だと限界を感じたようで、キャパシティが大きい「世界の終わりの飛行機」の後継機を選定します。結果発注されたのが、当時最大級の飛行機「747」をベースとした「E-4」でした。
747をベースにした2代目「世界の終わりの飛行機」は、1974年にデビュー。747-200をベースとした初期タイプE-4Aから始まり、その後エンジンを強化した発展型の747-200Bが開発されたことにともなって、E-4Aでもエンジン換装を実施。1985年に現在のE-4Bとなり、現在に至ります。
なお、広く情報開示が実施されているアメリカでさえ、この「世界の終わりの飛行機」E-4Bについての詳細情報はあまり発表されていません。ただ、必ずしも今回のような有事のときだけに飛んでいるというわけではなく、米国閣僚や長官の外遊の際などには、彼ら国の首脳を乗せ、横田基地に飛来したこともあります。
【了】
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