今こそ大航海時代に回帰?「木造の貨物帆船」現代に建造中 荷主もつき「日本もぜひ」

とっくの昔に廃れた木造の帆船を貨物船として新たに建造し、商船として再び活躍させるプロジェクトがコスタリカで進んでいます。その背景には、いまだからこその需要が存在。日本でも見られるかもしれません。

積み荷も大航海時代っぽい!?

「Ceiba」は20フィートコンテナ9個分に相当する250トンの貨物を積載できます。総トン数は299トン。日本では小型の内航船で見ることができるサイズです。

 船内にはリチウムイオンバッテリーを搭載し、航行時は帆走をメインとしつつ、港内や風が弱いときは補助の電気エンジンで航行します。船内のバッテリーは甲板上に置かれたソーラーパネルか、航行中に生じる2軸の可変ピッチプロペラの回生エネルギーを利用して充電します。

 帆走時の最高速力は12ノット(約22.2km/h)ですが、スケジュールに余裕を持たせ安全に航行するため、平均航海速力は4ノット(約7.4km/h)を想定しています。沿岸だけではなく外洋航行も想定しており、たとえばコスタリカ~カナダ航路の場合、往路はハワイを経由してカナダまで北上し、復路はカリフォルニアを経由してコスタリカまで戻るルートを取ります。

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SAILCARGOの造船所。近代的な造船設備はない(画像:SAILCARGO)。

 主な積み荷は、コーヒー豆、カカオ、ターメリック、アボカド、大麦など。SAILCARGOは付加価値の高い自然食品について、CO2(二酸化炭素)を排出しないゼロエミッション輸送の主要分野と位置づけており、環境意識が高いメーカーや小売業者、輸出経験のない小規模農家などをターゲットにサービスを提供していくとしています。

 すでに2021年11月にはカナダのフェアトレード輸入業者であるカフェ・ウィリアム(Cafe William)と提携しており、同社の焙煎工場向けコーヒー豆輸送にも使用されるとのことです。

【21世紀とは思えない…】建造中の「木造貨物帆船」 写真で見る

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