鉄道代替バスも消滅 2022年3月廃止の路線バス【東日本】 乗継ぎさらに厳しく

天下の都バスにも大ナタ~首都圏編

●東京都交通局(都営バス):S-1、東20など3系統(東京都)
・廃止区間:錦糸町駅前~浅草雷門~上野松坂屋前(S-1)ほか

 2012(平成20)年の東京スカイツリー開業に合わせて運行を開始したS-1系統は、この路線専用の銀色のバスが運用に就き、「東京→夢の下町バス」との愛称で運行されました。しかしスカイツリー構内に入らないことなどから、観光利用は東武バスやJRバスなどの路線に押されていました。とはいえ停車場所を絞っていることから、既存の都08・錦37などの速達便として、地域の人の利用も多く見られたものです。

●荒川区コミュニティバス「さくら」:町屋さくらルート(東京都荒川区)
・廃止区間:新三河島駅~町屋6丁目都営住宅~尾久橋(熊野前)
(3月31日〈木〉最終運行、4月1日〈金〉廃止)

 既存のコミュニティバスの好調を受けて2014(平成26)年に運行を開始しましたが、利用者は既存の「さくら」「汐入さくら」ルートより平均乗客が半分を下回る状態が続き、2020年には一部区間を廃止。さらにコロナ禍による利用者の激減が重なる形で、路線運営の委託元である京成バスから撤退の申し出を受け、廃止となります。

 全体としては乗車人員の低迷が続いたものの、平成初期に竣工した都営住宅が並ぶ町屋6丁目から、京成・地下鉄・都電が集まる町屋駅への利用は多かったといいます。しかしそれ以外の区間で利用者がなかなか伸びないうえ、徒歩圏内に都営バスが並行して運行されているため、この路線を取り巻く環境は厳しいものがありました。

●西東京バス:福24・ひ05など6系統
・廃止区間:福生駅西口~純真女子学園(福24)、純真女子学園~創価大正門・東京富士美術館~京王八王子駅(ひ05)ほか

 今回5系統が廃止される西東京バスですが、一方で西八王子エリアでは、地域バス「モリアオガエル号」廃止に伴って、2009(平成21)年以来の八王子市小津町への路線バス延伸を行います。

Large 220324 east 02

拡大画像

創価大正門・東京富士美術館バス停。写真の「ひ02」は存続する。ひよどり山トンネルを経由する(乗りものニュース編集部撮影)。

●朝日自動車:南町・伊原循環線(埼玉県草加市・越谷市)
・廃止区間:新田駅東口~南町3丁目

 2009(平成21)年に開設されたこの路線は、その当時バス路線がなかった越谷市井原地区へのアクセス路線として、開業当時から1日60往復が設定されていました。しかし昨年11月に1日30往復から突然平日3往復に減便、そして翌年3月の廃止が告知されていました。

【消える「銀の都バス」ほか 廃止路線バスを写真で見る】

最新記事

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。

1件のコメント

  1. いつも興味深く拝読しております。今回、地元民より一点だけ。岐阜乗合岐阜川島線は大幅減便の後で川島大橋の異常が発生しています。記事を読む限り、どうも橋の異常により減便を余儀なくされたように見えてしまいます。釈迦に説法とは思いますが、念のため。