鉄道代替バスも消滅 2022年3月廃止の路線バス【東日本】 乗継ぎさらに厳しく
バス乗り継ぎ番組の今後に黄信号?~甲信越編
●新潟観光交通バス:新飯田新町~燕町線(新潟県)
・廃止区間:燕駅前~燕労災病院~新飯田新町
(3月31日〈木〉最終運行、4月1日〈金〉廃止)
JR燕駅から新潟市南区新飯田(にいだ)の区間は、1993(平成5)年まで鉄道(新潟交通電車線)によって結ばれていました。今回廃止となる系統は中ノ口川の左岸をひた走るものですが、それ以外にもかつての鉄道線のルートに近い関崎・新生町経由の系統などもあり、旧・白根市(現在の新潟市南区)の中心街や月潟まで直通しています。コロナ禍で病院へ向かう外来患者が減少する中、複数並行するなかでの路線の維持は難しい状況にありました。
●塩尻市地域振興バス「すてっぷくん」中心市街地循環線(長野県)
・廃止区間:塩尻駅前~桟敷交差点~市営球場~塩尻駅前
社会実験として運行されていたデマンドバス「のるーと塩尻」が好調を保っているため、今後は他の6路線も、定時運行バスから順次変更される予定です。ただ塩尻市は松本方面と諏訪方面を結ぶ要衝にあり、この「すてっぷくん」のバスはテレビ東京系「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」にも何度も登場していました。4本の国道が交差する塩尻市から定時運行の路線バスがなくなると、同番組における甲信越地域でのルート作成が難しくなるかもしれません
●頸北観光バス:上直海線(新潟県)
・廃止区間:柿崎バスターミナル~上直海(かみのうみ)ほか
信越本線 柿崎駅前のバスターミナルに発着する4路線のうち、山側に向かう3路線(黒岩線・水野線・上直海線)の廃止が検討されていました。今回はそのうち上直海線のみ廃止となり、残る2路線はいったん存続となります。
※誤字を修正しました(3月30日11時42分)。
【了】
Writer: 宮武和多哉(旅行・乗り物ライター)
香川県出身。鉄道・バス・駅弁など観察対象は多岐にわたり、レンタサイクルなどの二次交通や徒歩で街をまわって交通事情を探る。路線バスで日本縦断経験あり、通算1600系統に乗車、駅弁は2000食強を実食。ご当地料理を家庭に取り入れる「再現料理人」としてテレビ番組で国民的アイドルに料理を提供したことも。著書「全国“オンリーワン”路線バスの旅」など。
いつも興味深く拝読しております。今回、地元民より一点だけ。岐阜乗合岐阜川島線は大幅減便の後で川島大橋の異常が発生しています。記事を読む限り、どうも橋の異常により減便を余儀なくされたように見えてしまいます。釈迦に説法とは思いますが、念のため。