3種全部ナゾ形状! 英ATI「新型旅客機案」 プロペラ6発/翼3つ/お腹ぼってり…なぜ?
イギリスのATIが開発を進めている旅客機案「FlyZero」の具体的なスペックが紹介されました。水素を動力とする「ゼロ・エミッション機」で3タイプ。それぞれが個性あふれるデザインを持ちます。
6発プロペラ機…なぜ?
イギリスのATI(Aerospace Technology Institute、航空宇宙技術研究所)が2022年3月、開発を進めている旅客機コンセプト案「FlyZero」の商業・運用レポートを発表しました。このなかで、3種ある「FlyZero」たちの具体的なスペックが、それぞれ紹介されています。
「FlyZero」は、リージョナル(地域間輸送)、ナローボディ、ミッドサイズ(中型機)の3タイプに大別されます。これらはいずれも液体水素を動力源とすることで、二酸化炭素を排出しない「ゼロ・エミッション機」となります。3機種それぞれのユニークな特徴は次の通り。
●リージョナルタイプ
ATR社のターボプロップ旅客機「ATR72-600」を参考機とし、全長は28.9m、全幅は31m。客席は横3-2列を配する75席仕様で、航続距離800海里(約1480km)、巡航スピードは325ノット(約600km/h)とされています。
「FlyZero」のリージョナルタイプの設計の最大の特徴は、プロペラを6基搭載していること。全て推進用ですが、現代のこのクラスの旅客機では、エンジンは2発がスタンダードです。ATIは、プロペラを6基とする「分散推進」とすることで、離陸・上昇中にエンジン故障した場合でも、影響を最小限に抑えることができるとしています。
ATIは、このリージョナルタイプと同クラスのサイズをもつ水素航空機が、一番最初に実現する可能性が高いだろうと予測しています。
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