名駅の街に空白地帯 見えてきた「中央新幹線 名古屋駅」の今 いよいよ地下駅工事へ
駅前一等地 都会の「すき間」に生まれる工事現場
JRセントラルタワーズの上階から現場を見下ろすと、名駅地区にビルが林立する中、針の糸を通すように空けられた更地が見えます。駅前一等地ということもあって、用地取得や移転補償などは簡単なものではなかったと言います。
東工区から東側はシールドマシンで地下を掘っていく工区ですが、比較的浅いところを通るため、ビルの基礎杭などに当たってしまうおそれもあることから、やはり既存の建物をいったん取り壊す箇所が生じるそう。名古屋駅部は用地取得、そこから堀川までは地下空間を占有し地権者の開発を一部制限する「区分地上権」を取得、そこから東京方面へは「大深度地下」として、用地補償なしで建設する形となります。
図面を見ると、トンネルの一部だけくびれてさらに細くなっている部分があります。工事担当者によるとそこは渡り線とホームの間で、そこだけ線路部分のみの必要最小限のスペースで済むことから、極限まで用地買収が不要となるよう、用地幅を切り詰めた結果だそうです。
在来線の名古屋駅と東工区の間にあたる「東山線工区」では、JR線に並行して南北に走る名古屋市営地下鉄東山線の下をくぐる形になります。東山線は地表近くを走っているため、地下深い位置に構築される中央新幹線のトンネルとは離れていますが、地下鉄を止めることなく新幹線工事を進める必要があり、こちらも大変な工事計画になってくるとのこと。
工事を監督する名古屋建設部の担当部長の関戸淳二さんは、「日本の大動脈となるプロジェクトに携わることに、誇りを持って日々取り組んでいます。高度に市街化された駅前で工事を行うにあたり、権利者の皆様や近隣の方々、駅前を利用される方々のご協力とご理解をいただき大変感謝しております」と話しました。
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