宇宙でキャタピラ必要?「ガンタンク」の存在意義 ガンダム世界の“戦車”ではない?

ガンタンクは母艦防空兵器

 筆者は「ガンダムを支援するのがガンキャノン」「母艦のペガサス級強襲揚陸艦を防空するのがガンタンク」という構想だと考えます。

 実際、初期のテレビ版では、劇中ガンタンクは戦車というよりも、自走砲兼自走高射機関砲といった運用をされることが多かったです。

 その点では、戦車や装甲車などに随伴し、向かってくる敵の軍用機やミサイルなどに対して搭載する35mm機関砲を射撃する、いわゆる対空戦車としての運用を想定して開発されたドイツの「ゲパルト」や、ロシアの「ツングースカ」、日本の87式自走高射機関砲と同じだといえるでしょう。

 ちなみに、87式自走高射機関砲は、陸上自衛隊では非公式ながら「ガンタンク」という愛称が付けられています。

Large 220414 gantank 01

拡大画像

戦車型メカは必然があって存在した!?(イラスト:オウジケイスケ)。

 実際、劇中では「砲弾が対空用ではないから、1機しか落とせない」という台詞も出たほどで、ガンタンクの初戦果はパプア補給艦に対する遠距離砲撃であったものの、地上に降下後は、主にジオン軍戦闘機ドップを砲撃するという、対空戦車のような戦い方をしています。ガンタンクはジオンの陸戦主力兵器であるザクや、戦車のマゼラアタックをほとんど狙っていません。

 このように劇中を見る限り、ガンタンクの主敵は航空機、そしてアムロの台詞によれば「要塞攻撃に適している」兵器でもあります。どういうことでしょうか。

 ヒントとなるのは、ガンタンクの主砲である120mmキャノン砲の射距離だと考えます。この大砲は射程距離が240~260kmもあります。地上でこんな長射程があっても、砲弾は水平線の向こうへの着弾となり、弾着観測は困難です。

 ガンタンクは頭頂高15mと車高の高い兵器ですが(自衛隊の10式戦車は全高2.3m)、これは、レーダーが使えないミノフスキー粒子下において、主砲の弾着観測を行うために、あえて高くしているのでしょう。たとえば、旧日本海軍の最上型重巡洋艦は上甲板から、艦橋にある弾着観測用の測距儀まで、17.3mの高さがあり、これはガンタンクに近いです。

 なお、ガンタンクの母艦であるペガサス級は、平たい甲板があります。筆者は、この平たい甲板は「ガンタンクを露天係止するために、あえて平たくしている」のだと考えます。

【機関砲が火を放つ】「ガンタンク」の実射シーンほか

最新記事

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。

5件のコメント

  1. その辺の答えはサンボル読めば大体描いてある

  2. >形式番号RX-75でもわかるように、ガンタンクは宇宙世紀0075より開発された機体です。

    自衛隊の命名規則ならそうだがこれはただの連番と思われ('ω')

  3. ガンタンクが母艦上で防衛任務?
    母艦には重力発生装置がついているの?

    正直、ガンダムの世界は物理法則を無視した
    世界で真面目に考察しても意味がない。

  4. お前のブログで書いてろ
    という感想しか湧いてこない

  5. ガンタンクが75年ロールアウトとは初耳です。
    V作戦の発動は開戦後との認識でしたが、新しい視点ですね。