「三菱スペース・ジェット」実用化さらに遠のく… どこでYS-11やホンダ・ジェットと差がついた?

ホンダ・ジェット・YS-11は取得できたのに…なぜ差が?

 新しい民間機を販売するためには、日本においては国土交通省による審査が必要です。ただ、世界中に販路を拓くためには、その国ごとに審査をクリアしなければなりません。

 というのも、YS-11と同じように、FAA(アメリカ連邦航空局)の型式証明をクリアすることが不可欠です。ただ、他国の航空機メーカーはこれをクリアするノウハウがあるのに対し、長年、旅客機開発から離れていた日本の航空局、そして三菱重工にはこれがなかったわけです。そのため、“ジェット旅客機の本場”基準の型式証明クリアに難航し、開発が遅れに遅れ、「いったん立ち止まる」こととなったわけです。

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三沢航空科学館に展示されている「ホンダ・ジェット」(乗りものニュース編集部撮影)。

 ちなみに、明暗の分かれた日の丸ジェットとして、スペース・ジェットとよく比較される「ホンダ・ジェット」は、エンジンを翼上に設置するなど突飛ともいえる設計を持ちながらも、YS-11の“教訓”を充分に生かし、アメリカに実質的な拠点を移すなどにより、ノウハウを吸収し、この基準をクリア。「ホンダ・ジェット」はその後、商業的に成功作となりました。

【了】

【写真】実はあります 三菱が成功させたターボプロップ民間機「MU-2」

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コメント

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1件のコメント

  1. 大田稔、菊原静男、木村秀政
    土井武夫、堀越二郎の5人では。手許に在る前間孝則著「YS11」より。