続々集まるNATO規格「155mm砲」でウクライナどう戦う? 対ロシア第二ラウンドへ

ここにきて火砲が大量に必要になったワケ

 ロシアでは、かねてより野砲は「戦場の女神」と称賛されてきました。遠距離から敵を叩いて戦力を削ぐばかりでなく、激しい砲撃で相手の戦意を奪うことができ、その状態に至らせたところで、直接交戦の戦車戦なり歩兵戦なりに持ち込むことができるからです。

 また、このような攻勢時だけでなく守勢に入った場合も、向かって来る敵を遠距離から叩いて数を減らしつつ「行き足」を鈍らせて、防御戦闘を有利に進めることができます。

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ウクライナ軍の122mm自走榴弾砲2S1「グヴォズジーカ」(画像:ウクライナ国防省)。

 しかし、2022年2月24日に開始されたロシア軍の侵攻(筆者はこれをロシア第1次攻勢と仮称します)では、ウクライナ軍は戦闘地域に市街地が多いという地形的な事情から、肩撃ち式の対戦車火器や対空ミサイル発射機を携帯した8~10名の分隊規模の部隊を多数前線に展開させ、建物や廃墟を利用した待ち伏せ攻撃で、ロシア軍の戦車を始めとした各種AFV、攻撃ヘリコプターなどに大損害を与えることに成功しました。

 ただ、このときの戦いでは、まだ自国の民間人が残る市街地に大規模な砲撃を加えるわけにはいかなかったので、ウクライナ軍の砲兵に大きな出番はなかったと言えるでしょう。

 しかし、ロシアが戦線を縮小・整理し、第2ラウンドともいえるドンバス地域で戦いを行う場合、その戦場は開けた場所が多く、市街地での戦いで活躍した対戦車・対空歩兵分隊の「隠れ家」が一転して少ないエリアとなります。そのため、ロシア第1次攻勢と同じ戦い方が難しくなるのです。そこで役に立つのが、昔ながらの砲撃による、敵の侵攻阻止、いわゆる「足止め」です。

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