ホテルに誕生「JALの部屋」どう実現? 整備士が本気で部屋作り 細部に工夫… "生みの親"に聞く裏側
浦安市のホテルに、本物のJAL機の廃材を活用して機内の空間を表現したコンセプトルームが誕生しました。この異色の部屋はどのように実現したのでしょうか。生みの親に聞きました。
航空用じゃなくても一般的な用途であれば、十分に使用可能
東京ディズニーランドの近隣に位置する東京ベイ東急ホテル(千葉県浦安市)の一室として、2022年のゴールデンウィークから「ウイングルーム」と呼ばれる部屋の稼働が始まりました。ここは、本物のJAL(日本航空)機の廃材を活用して機内の空間を表現したコンセプトルームです。
この部屋は、「JAL整備士の魂」がこもっていました。
JALグループでは新型コロナウイルス感染拡大のなか、航空機部品の廃材を活用した商品を展開しており、今回の“部屋”もその一環です。開発にかかわったのは普段、JAL機の整備を行っているJALエンジニアリングのスタッフたち。整備士ならでの創意工夫によって生まれています。
「航空機は、極限まで機能性を追求した300万の部品で構成されており、それぞれに厳しい基準が設けられています。それに適さなくなったものは取り下ろされますが、廃材は(航空機用ではない)一般的な用途であれば、十分に使用可能です。これらの部品の希少性、ストーリー性などは大きな付加価値だと考えています」(JALエンジニアリング 部品サービスセンター 矢田貝 弦主任)
このコンセプトルームは、矢田貝主任が描いた1枚のスケッチが原案となっています。
「たとえばライフベストやシートカバーなど廃棄量の多いものや、小型のパーツなどは、これまで商品として開拓を進めてきました。一方で、シートやパネルなどの大きな廃材については、どう活用すればいいのか方法を探っていたところ、東京ベイ東急ホテルからお話をいただいたのです。このコンセプトスケッチは、いまから8か月ほど前(2021年9月)に、若手の整備士と相談しながら完成させました」(矢田貝主任)。
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