伝説級ズラリ「難読の廃止駅」西日本5選 読めるか!書けるか!「引っかけ問題」も
漢字を見ただけでは読むのが難しい「難読駅名」は、現在営業していない「廃駅」にも多くありました。その中には、漢字本来の読みから大きく離れたものもあります。
今はなき駅にも難読のものが
「及位」「特牛」「学文路」…日本の駅には、さまざまな「難読駅名」が存在します。難読駅名でクイズが作れるほど。しかし、過去に存在していた駅に目を向けると、さらに多くの「難読駅名」が現れてきます。
今回はその中から選りすぐりの5個を紹介します。記事の最後に答えを記載しています。
●行縢(高千穂鉄道、宮崎県延岡市)
2007(平成19)年、路線とともに廃止。「行縢」はもともと武士の装束のひとつで、袴を覆うように羽織るものです。鹿の毛皮が用いられることが多かったようです。地名の由来は、近くの「行縢山」で、風景がその装束に似ていたことから名付けられたと言われています。
●春照(国鉄、滋賀県米原市)
1889(明治22)年、路線とともに廃止。東海道線全通までの間、関ヶ原から長浜へ最短距離で結んでいた路線上にあり、その旅客営業の期間はわずか6年間でした。地名の由来は、伊吹山の麓であり、湧き水の上にあるという意味の「水上」に、別の漢字があてられたと言われています。
●饗庭(江若鉄道、滋賀県高島市)
1969(昭和44)年、路線とともに廃止。江若鉄道はJR湖西線の前身にあたる鉄道路線で、浜大津から近江今津までを結んでおり、廃線跡を利用して湖西線が建設されました。この饗庭駅は、現在の新旭~近江今津間にあった駅です。西側にある陸上自衛隊の饗庭野演習場、航空自衛隊の饗庭野分屯地など、地名を冠した施設が周囲に残っています。
地名の由来は、そこが「饗庭氏」という豪族の荘園であったことから。その「饗庭」という苗字は神事を行う場所に由来し、神事によって神に「会う」場所という意味があるとされています。
●周匝(片上鉄道、岡山県赤磐市)
片上鉄道は赤穂線の備前片上駅から山陽本線の和気駅を経由して、吉井川沿いに北上し、採鉱所のあった柵原駅までをむすぶ33.8kmの鉄道路線でした。ちなみに終着駅の「柵原」もなかなかの難読駅です。
日常で目にすることの少ない「匝」という漢字ですが、千葉県にも「匝瑳市」という市名があります。こちらの読みは「そうさ」。漢字の意味は「周囲を巡る」といったものです。
周匝という地名は奈良時代から記載があり、その読みの由来は日本神話の「スサノオ」や、砂鉄の選別作業の古語にちなむ、などと言われています。
●目尾(国鉄幸袋線、福岡県飯塚市)
1969(昭和44)、路線とともに廃止。幸袋線は、筑豊本線(福北ゆたか線)の直方駅と飯塚駅の中間にある小竹駅から南西へ分岐し、二瀬駅までをむすぶ7.6kmの路線でした。目尾駅は筑豊本線から分岐してすぐのところにあった無人駅でした。
地名の由来は、飛鳥時代の法令「大宝律令」で定められた官位のうち、地方官僚である「国司」の階級、守(かみ)・介(すけ)・掾(じょう)・目(さかん)の最下位、「目」が住んでいた丘陵(尾)にちなむとされています。
昔、NHKに「饗庭」姓の解説委員がいたけど、その人の姓の読みは「あえば」だった。