廃車にしてリニューアルが完了? 最近の小田急電鉄1000形の動向

小田急電鉄では、銀色のステンレス車体の電車が主力となっています。最初にステンレスの車体を採用した車両は1000形で、1987(昭和62)年末の登場からまもなく35年が経過。リニューアルされずに廃車される車両も現れています。小田急電鉄1000形、今後どうなるのでしょうか?

この記事の目次

・小田急電鉄1000形ってどんな電車?
・1000形で導入された「初めてもの」
・地下鉄千代田線にも乗り入れ
・謎の1500形? ワイドドア車
・青い電車から赤い電車に
・リニューアルはしたけれど
・廃車VSリニューアル
・どうなる? 小田急電鉄1000形

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小田急電鉄1000形ってどんな電車?

 1000形は、小田急線の輸送力増強と、既存の車両の置き換えを目指して1987(昭和62)年末に登場し、翌年から本格的な営業運転に投入されました。小田急電鉄では2018(平成30)年に下北沢付近で複々線化を行ったことで、大幅な輸送力増強が実現しましたが、1000形が登場した頃は輸送力の増強に追われていた時期でもありました。

 1000形の導入に合わせて新宿方面では各駅停車を6両編成から8両編成としたり、サイズの小さい車両を大形の車両に置き換えたりすることで、輸送力を地道に増強する取り組みが行われていたのです。

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総計196両が製造された小田急電鉄1000形(玉川学園前~町田/2014年4月17日、柴田東吾撮影)。

 1000形は小田急電鉄で初めてステンレス製の車体を導入したほか、本格的にVVVFインバータ制御を導入するなど、数々の新技術を取り入れています。また、編成の種類も豊富で、最初は4両編成だけでしたが、1988(昭和63)年には6両編成が登場し、地下鉄千代田線にも乗り入れた時期があります。さらに、10両編成や8両編成も登場し、4・6・8・10両の4種類もの編成がありました。

 1991(平成3)年にはワイドドア車も登場。ドアの開口部の寸法を2mとしてラッシュ時間帯の乗降に配慮した車両も作られました。このワイドドア車は開口部を縮小したり、編成を組み換えたりと、改造を繰り返した車両としても知られています。

 2009(平成21)年には箱根登山線向けに赤い車体の車両が登場したほか、2014(平成26)年からはリニューアルがはじまり、内装の一新や走行機器の交換が行われています。

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4両+6両で10両編成を組む1000形。4・6・8・10両の各編成が登場し、ワイドドア車や赤い1000形などバリエーションが豊富だった(向ヶ丘遊園~生田/2014年1月31日、柴田東吾撮影)。

 もともとワイドドア車はリニューアルを行わない計画だったものの、ワイドドア車ではないグループも2020(令和2)年から廃車が始まり、追ってワイドドア車も廃車が進んでいるのが現状です。

1000形で導入された「初めてもの」

 1000形では、ステンレス車体の導入やVVVFインバータ制御の本格的導入のほか、新しい技術として屋根上にAM・FMラジオの受信アンテナを設置し、増幅して再受信する機能が導入されました。また、車内設備では増備過程で扉の上に車内案内表示装置が導入されたのも1000形ははじめてで、以後の車両では標準装備とされています。

 座席の端に仕切が設けられたのも1000形がはじめてのように見えますが、「ロマンスカーミュージアム」で保存されているモハ1形にも仕切があり、復活と言えるのかもしれません。

 外観では新しいデザインを採用した一方、アルストムリンク式の台車を引き継いだほか、ブレーキのシステムは電磁直通式として従来の車両とも連結ができるようにしています。

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Writer: 柴田東吾(鉄道趣味ライター)

1974年東京都生まれ。大学の電気工学科を卒業後、信号機器メーカー、鉄道会社勤務等を経て、現在フリー。JR線の2度目の「乗りつぶし」に挑戦するも、九州南部を残して頓挫、飛行機の趣味は某ハイジャック事件からコクピットへの入室ができなくなり、挫折。現在は車両研究が主力で、技術・形態・運用・保守・転配・履歴等の研究を行う。鉄道雑誌への寄稿多数。資格は大型二種免許を取るも、一度もバスで路上を走った経験なし。

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