激レア! ANA「整備訓練機」に迫る わずか1機の737-500「スーパードルフィン」 機内はどう変化?
現役時代と「整備訓練機」のいま、どう違う?
ボーイング737-500「スーパードルフィン」の「整備訓練専用機」の外観は、現役時とほとんど同じ。エンジンカウルの「イルカ」も健在です。ただ「ANA」ロゴのところは「ANA TECHNICAL TRAINING」と塗り替えられています。胴体の各所には点字ブロックのような凹凸が。これは外装整備のトレーニングによってできたものだそうです。
続いて機内。実はこちらも「整備訓練専用機」となったことで、現役時代とは一変した姿も予想できましたが、なんとほとんどが、現役時代の「スーパードルフィン」そのままです。
機内は126席の厚みのあるクラシカルな黒系統のカラーリングのシートがならび、照明の色も蛍光灯カラーの黄色。ギャレー(キッチン)や、CA(客室乗務員)が座る「ジャンプシート」もほぼそのままで、機内アナウンスなども実施することができます。
なお、ANAによると同機の機内ではこれまで「シート取り外しや取り付けの訓練などが何度も実施されています」とのこと。利用者目線からはわからないような”原状回復”ができることも、プロの航空整備士になるための大切な要素なのかもしれません。
今回整備訓練専用機が一般公開されたのは、ANAウイングスの社員発案の同機を活用したツアーが実施されたことによるものでした。普段は立ち入りできない整備訓練専用機のコクピットや機内外を、パイロットや客室乗務員による案内のもと見学するというもので、ツアー参加者は、客室下の貨物室「ベリー」やエンジンの内部などを、スタッフの生解説のもと肉薄するという、レアな体験をしていました。
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Writer: 松 稔生(航空ライター)
国内航空会社を中心に取材を続け、国内・海外を奔走する日々を送る。ゆとり世代。
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